職場におけるダイバーシティの障壁を切り崩す
公開日:2012/08/07
このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループの広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
今回は障がい者雇用に関するSHLの活動について、プレスリリース(2012年7月11日)記事をお伝えします。
統合採用(inclusive recruitment)のトップ・オーディターであるClear社がSHLとパートナーシップを結びました。職場においてダイバーシティの意識を高め、アセスメントの公平性とinclusionに焦点を当てて、全ての人に最大限の雇用機会を与えることが目的です。
統計局の推計によれば、イギリスには700万人の労働年齢の障がい者がいます。これはイギリス総労働人口の18%にあたります。しかしながら、非障がい者の78%が雇用されていることに比べ、雇用されている障がい者はわずか49%です。
Clear社とSHLは協同で統合採用への継続的サポートを行います。アセスメントのアクセスしやすさをさらに改善したり、障がいを持つ候補者にサポートを提供したりします。職業場面でのアセスメントは客観的であることが実証されています。雇用プロセスのどこでアセスメントを受けることになっても、全ての候補者が最良で一貫した経験を必ず持てるよう、SHLのオンライン受検やベスト・プラクティスを促進していきます。
加えて、SHLのコンサルティング・サービスを通して、あらゆる業界の企業クライアントや採用担当者に、障がいを持つ人材へ配慮することの利点についてのガイダンスを行います。これにより、企業は、背景や年齢、性別、肌の色、障がいの有無に関わらず、職務に適切な人材を任命できているという自信を持てるでしょう。
ステファン・リード(SHL UK社長)は次のようにコメントしています。『人材のデモグラフィックが急速に変化し、社会的流動性が高まりつつある現在、企業にとって、できるだけ広い人材プールから応募者を選抜することが非常に重要です。全員に開かれた、公平で客観的なアセスメント手法を確保しなければなりません。我々がハードルを上げて、人口全体の多様性を反映するようなソリューションを確保し、雇用者全員に職場でスキルや能力を発揮できる機会を与えられるようにするのは当然のことです。』
ケート・ヘドリー(Clear社 開発ディレクター)は次のように補足しています。『人材獲得競争に打ち勝つ企業は、実際の差異や見かけ上の差異で意識的・無意識的なバリアを置くことなく、手を伸ばして、スキルの高い人材を見つけて採用する企業です。SHLはこの計画を先頭に立って引っ張り、人材アセスメントや人材測定の科学を統合施策の新しいレベルに引き上げてくれます。』
『SHLのビジョンは真にインスピレーショナルであり、共に仕事ができることは本当に光栄です。Clear社は支援を惜しみません。マイノリティ・グループの人々、特に障がいを持つ人々に大きな変化をもたらしてくれるでしょう。』
職場におけるダイバーシティを促進するために、Clear社とSHLは共に、様々な人材測定施策で統合戦略をさらに深めるための機会を探っていきます。
主な活動は以下のとおりです。SHLアセスメント・ソリューションとテクノロジー・プラットフォームの利用しやすさの検討。コンサルティング・サービスにおける専門性の拡充。さらに、SHL自身がその採用プロセスや人事方針にinclusionの観点を取り入れ、Clear社の認定雇用者となるべく進めていきます。
リードは次のように結論しています。『SHLにとって、社員の採用と障がいについてのイギリスで唯一かつ最大のアドバイス・リソースと緊密な関係をもつことは、大変意味のあることです。最終的には、SHLが社員の採用、昇進、能力開発に最も効果的なアドバイスやツールを提供している、と全ての人に信頼してもらいたい。そのためには、クライアントが、利用できるソリューションのうち最も適切なものを、評価される個人に最も合った方法で実施できるようサポートできなければなりません。』
Clear社は、雇用年金局および先進的な官/民の組織と協力して、障がいに関するポータルサイトClearKitを開発しました。この施策の運営グループ議長であるスー・ラヴィーン氏(E.ON UK ビジネスサービスMD)は次のように述べています。
『E.ONは2010年の開始時から、採用におけるダイバーシティ改善に向けたこの取り組みの中心でした。アセスメントのグローバル・リーダーがinclusionの必要性に直接対処し、その結果として大きな貢献をしていることは非常に有望な兆候です。SHLは、人材の客観的アセスメントにおけるベスト・プラクティスの継続的な開発を支援することによって、特に障がいに関して、周囲を引っ張ってくれています。』
E.ONとClear社は障がい者の雇用機会促進に協同して力を注いできたことで、CIPDによる2012年CSRアワードにノミネートされています。
Clear社は障がい者の採用・雇用に関するオーディターです。英国トップ企業の採用方針やプロセスを10年以上監査してきました。そのポータルサイトClearKitは、トップ企業220社を3年間詳しく研究した結果に基づいて開発したもので、雇用する側にとっての事例やヒント、チェックリストが掲載されています。登録ユーザーから具体的な案件に対しての問い合わせを受けられるようになっており、その回答者のひとつとしてSHLグループも参加することになりました。現在1700社以上の組織が登録しているそうです。

このコラムの担当者
堀 博美
日本エス・エイチ・エル株式会社