事例:バークレイズ よりよい選抜のための評価者トレーニング
公開日:2012/08/21
このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループの広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
今回は事例をご紹介します。
背景
バークレイズのような大組織において採用で一貫性と客観性を確保することは不可欠ですが、採用活動のボリュームの点だけを考えても難しいことです。
そのため、バークレイズは銀行業務の採用に携わるラインマネジャーに評価トレーニングを行うことにしました。採用プロセスに新しいコンピテンシーのフレームワークを浸透させるという目的もあります。
課題
コースの設計・実施にあたっての検討ポイントは以下のとおりです。
- 様々な職種や、使用される様々な評価手法を包括的にカバーすること。
- 役職や評価経験のレベルが様々なマネジャーに役立つ柔軟さがあること。
- 新しいコンピテンシー・フレームワークを紹介でき、マネジャーがそれを実際に採用で使えるようにすること。
- できるだけ実用的で、職場を離れる時間が最少で済むこと。
コースは面接スキルと評価スキルの両方をカバーする必要もあります。
解決策
SHLがバークレイズと協力して、上記の要件を満たすコースを設計しました。
- 評価、面接、機会均等やダイバーシティの理論的側面をカバーする事前ガイドを作成する。それによってコースの2日間はすべて実践的なセッションにできる。
- 実践セッションでは、ほとんどのアセスメント・イベントに共通する一般的な演習(ロールプレイ、プレゼンテーション、面接)を用いる。ほぼどんな評価イベントにも応用できるような評価スキルを教えることが目的。
- コースには「認定」要素を含める。合格して職場で評価を行えるようになるためには、各参加者は主要要素で一定水準に達しなければならない。
- 採用チームにモニタリング・システムを設置する。それによって、水準が守られていることを確認できると同時に、コースで成績の悪かった人にコーチングやガイダンスを提供できる。
結果
コース責任者リチャード・ガイルズ氏(バークレイズ、プロジェクト・マネジャー)は次のようにコメントしています。
『SHLがコースを設計、展開するやり方に非常に感心しました。認定水準はバークレイズの中でうまく機能しており、コースは社内で高く評価されています。我々は最初20コースだけ予定していましたが、社内での要望が高いため40コースに増やしました。』
イギリスでも大卒採用状況は厳しく、ひとつの募集に対する応募者は平均で52件(昨年比11%アップ)だそうです。適切な意思決定をサポートするためのトレーニングやツールへの要望が一層高まっています。

このコラムの担当者
堀 博美
日本エス・エイチ・エル株式会社