コラム

人事コンサルタントの視点

ヨーロッパにリーダーが足りなくなる

公開日:2012/10/02

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループの広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
今回は、前回のSHLグローバル・リーダーシップ研究結果に関連して、Wall Street Journal電子版(9月11日付け)の記事をご紹介します。

もし将来のリーダーを見つけて能力開発することができなければ、ヨーロッパ経済にリーダーが足りなくなる危険がある、と人材測定会社SHLが警告している。

同社が先月(8月14日)に発表した第一回グローバル・リーダーシップ調査によれば、ドイツとイギリスには、現在、ヨーロッパの他国よりも多くの有能なリーダーがいるが、将来のリーダーということになると両国とも遅れている。

『西洋経済のビジネス慣習や教育システムが、かなりメトリック主導になりつつあります。リーダーシップには分析的な側面もありますが、また、人や関係構築に関連するところもあります。』(SHL商品担当チーフオフィサー、ポール・レベット)

対照的に、メキシコ、トルコ、エジプトは、将来のリーダーとなる可能性のある人材源が最も大きい。レベットは、教育水準の向上や起業を奨励する風土などが、これら新興国のリーダーシップ・ポテンシャルを押し上げている理由であろうと述べている。

先進国が『そのリーダーシップ・ポテンシャルを解き放つ』ことができる方法は新リーダーの世代により投資すること、さもなければ、外国からの採用をますます検討しなければならなくなるだろう、と彼は付け加えた。

採用ツールや選抜テストを企業に提供するSHLは、2006年~2011年の100万人を超えるデータベースに基づいて37カ国を分析した。データは応募者や現職社員のもので、中小企業から大手企業まで幅広い。

SHLの基準によれば、ドイツ人口の13%が有能なリーダーである。それに続くのがイギリスとスイスで、共に人口の10%。しかしながら、明日のリーダーということになると、ポテンシャルを持っているのはドイツ人の40%、イギリス人の37%、スイス人の43%。一方、メキシコ人口の54%が将来のリーダーとなる可能性を持ち、それに、トルコ(50%)、エジプト(44%)が続く。

同社が定義する有能なリーダーとは、様々な資質のうち、とりわけ、問題解決力、関係構築力、コミュニケーション力、手順化力、水平思考力を持つ人々である。明日のリーダーとは、これらリーダーシップ特徴のいくつかを持つが、ポテンシャルをフルに実現するために更なる能力開発が必要な人々である。

前回の本コラムでご紹介した調査結果がWall Street Journalでも取り上げられました。新興経済圏の勢いがここにも現われています。グローバルで人材戦略を考える時代は近いようです。

堀 博美

このコラムの担当者

堀 博美

日本エス・エイチ・エル株式会社

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