SIOP大会でSHLアンディ・ロス博士が講演
公開日:2009/04/07
このコーナーは、イギリスのSHLグループが配信している「SHL Global Newsletter」やHPから記事をピックアップ、日本語に翻訳してご紹介するものです。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
前回、今年のSIOP大会にSHLが参加するというニュースをお知らせしました。今回はその続報として、3月26日にメディア・リリースされた詳細をお伝えします。
SHLは本日、アンディ・ロス博士(主席ITオフィサー)が、第24回SIOP大会におけるテクノロジーリーダー討論会のパネリストに選ばれたと発表した。
大会は4月2日~4日、ニューオーリンズのシェラトンホテルにて開催されます。ロス博士が参加するのは、「テクノロジーリーダー討論会:産業組織心理学者に影響するトレンド」(4月3日5:00PM)です。博士の20年間に及ぶIT業界、金融サービス業界における国際経験から得た識見を話す予定です。
ロス博士は次のようにコメントしています。「同胞に会い、産業組織心理学者の今後の研究活動を形作るようなテクノロジーのトレンドについて話す機会を楽しみにしています。テクノロジーは常に進化しており、人事専門家に日々、革新をもたらしています。産業組織心理学者にとって情報の最先端にいること、テクノロジーが自分たちの分野にもたらす価値を理解することは重要です。」
また、SHLアメリカ社長へニー・クリーク博士が、パネルディスカッション「ベストプラクティスと法的防衛性:どれくらい妥当性があれば十分なのか?」(4月4日1:30PM)のモデレーターを勤めます。人事意思決定における評価やテストにまつわる法的諸問題を掘り下げます。
その他の大会参加者は以下のとおりです。
4月2日:
- サンドラ・デニス博士(SHLアメリカ、経営コンサルタント)
「グローバル選抜の海に乗り出す:ユニークな挑戦と解決策」(10:30AM)参加。 - ディブ・バートラム教授(研究担当取締役)とアンナ・ブラウン(主任研究統計士)
「新項目翻訳の創造とテスティング:現在の応用慣行」(1:30PM)参加。 - ユージーン・バーク(科学イノベーション取締役)
フォーラム「21世紀の技術に基づく評価:進歩とトレンド」(2:00PM)討論者。
「構成概念に基づく状況判断テストにおける実務的諸問題」(3:30PM)パネリスト。 - ハンナ・オルセン(専門サービス担当副社長)
「エンゲージメント解明に関する国際シンポジウム」議長
シンポジウムには、バートラム教授、スティーブン・フレック(上級研究心理学者)、イルケ・インセオグル(上級研究心理学者)が参加。
4月3日:
- ブラウン 「文化を超えたパーソナリティ評価の問題」(8:30AM)指定討論者。
- バートラム 「パーソナリティと職務成績の関係における、特性、基準変量、状況の特異性」(3:30PM)指定討論者。
- バートラムとブラウン ポスター発表「より少ない項目数でより多くの情報を得る:IRTで強制選択測定を改善」(3:30PM)。
SIOPについてのさらなる情報は、 http://www.siop.org/conferences/ をご覧ください。
SIOPとは米国産業・組織心理学会の略称で、Society for Industrial and Organizational Psychologyの頭文字をとったものです。この分野の学会としては最も規模の大きいものです。
本年の大会では、SHLの研究部隊を率いるディブ・バートラム教授や、CBT(Computer Based Testing)の応用開発の中心であるユージーン・バークを始め、SHLグループのそうそうたるメンバーが発表、参加する予定になっています。いずれのテーマも興味深く、私も知識欲を刺激されます。
メディアリリースでメインに取り上げられているアンディ・ロス博士はITの専門家です。2007年3月にSHLに加わる前はスコットランド銀行に勤務し、Eコマースやインターネット関連の仕事をしていたそうです。ロス博士のようなキャリアの人がテクノロジーリーダーとして、産業組織心理学者に向けてのメッセージを発するという今回の試みは注目に値します。
ここ数十年ほどのコンピューターやインターネットの発達によって、今やIT技術はどんな分野にも関連します。もちろん、我々人事コンサルティングの分野でも、IT技術抜きにテスティングや人事アセスメントについて語ることは不可能です。ITと心理学の両方の専門が必要で、両者の融合・協力から新手法や新技術、新商品が生まれます。私が日本からSHLグループを見てきて10年ほどになりますが、その間、SHLグループの経営ボードや方針、組織、グループ戦略などその方向に向かっていることを感じます。これからの時代、両方が刺激しあうことがなければ新しいものはなかなか生まれないのではないでしょうか。

このコラムの担当者
堀 博美
日本エス・エイチ・エル株式会社