コラム

人事コンサルタントの視点

事例:イギリス航空管制公社(NATS)――オンライン採用選抜プロセスを改善

公開日:2010/11/30

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループのネット配信「SHL Newsletter」や広報誌「SHL News」、HPから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回は、少し前、2010年8月の広報誌SHL Newsの巻頭ページに掲載された事例をご紹介します。活用場面は航空管制官の採用です。

イギリス領空および北大西洋東部の航空交通管制業務を担い、年間200万件のフライトを扱っているイギリス航空管制公社(National Air Traffic Services ; NATS)は、航空管制官の仕事に最高の質の候補者を採用しようとしています。人材マネジメント会社Peopleclick Authoriaによって提供される既存のE採用インフラに、SHLオンライン「照合テスト」を組み込むことによって、NATSは、テスト実施後に結果を評価して候補者を次のステップに呼び込むためにかかる時間を大きく低減できました。

照合テストは、認知スピードと高レベルの維持・監視が求められる仕事に対する、個人のポテンシャルを測定するよう特に設計されています。

NATS航空管制官採用マネジャーのAndy Hutchinson氏は次のように述べています。『我々のトライアルで得られたデータを分析したところ、オンラインの照合テストは将来のパフォーマンスの優れた指標であることがわかりました。応募者に事前にオンラインテストを受けさせることによって、選抜当日に、より強力な応募者が参加してくれることを期待しています。現時点では応募者の40%が選抜の日に現れず、そのための準備が無駄になっています。必要な適性を示せない応募者が早い段階で消えることで、我々にとっても応募者自身にとっても、膨大な時間と資金が節約できることでしょう。』

日本では航空管制官は国家公務員で、公務員採用試験の航空管制官採用試験に合格しなければなることができません。一次試験3科目(教養試験、外国語試験、適性試験)、二次試験(面接、身体検査など)を経て合格者が決まります。合格率は5%程度ですからかなり狭き門ですね。

適性試験の内容は記憶と空間把握です。上記イギリスの事例で使用された「照合テスト」とは若干内容が異なりますが、基礎的な能力として注意力を測定しようという点は一致しています。

長時間レーダーをみつめ、それぞれの点に合わせた動きを判断して瞬時にパイロットに指示を出す仕事です。間違いや不注意がそのまま大惨事につながりかねない仕事ですから、細かいことへの集中力やほんのわずかな異常でも発見できる能力が適性のベースであることはうなずけます。

航空管制官レベルの注意力とまでは必要なくても、日常業務で間違いが致命的なミスにつながる職務は企業の中にも数多くあります。認知のスピードと正確性を測定するテストとしては、当社が持っているテストの中ではOAB(事務職適性検査)の「注意能力」がそれにあたります。

堀 博美

このコラムの担当者

堀 博美

日本エス・エイチ・エル株式会社

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