コラム

人事コンサルタントの視点

事例:NASA(アメリカ航空宇宙局)

公開日:2011/09/06

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループのネット配信「SHL Newsletter」や広報誌「SHL News」、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
今回ご紹介するのはアメリカ航空宇宙局NASAの事例です。ITセキュリティに関するスキルテストを開発、活用しています。

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課題

  • 非常にセンシティブな情報システム
  • 測定・認定のニーズ
  • ITセキュリティのスキル
  • ITセキュリティ・アドミニストレーター3000名
  • アメリカの様々な地域に存在
  • 時間と資源が限られている

成果

  • 客観的なスキル測定
  • 勤務地を超えて一貫した認定制度
  • 最小限のリソースで実施
  • ダイナミック・テスティングによる知識レベル認定
  • CATがカンニングのリスクを低減
  • 組織全体にまたがる詳細なスキルマップが得られた

課題

NASAのIT環境には慎重に扱うべき情報が大量に含まれており、システム・アドミニストレーター3,000名強の日常業務において、ITセキュリティは大きな役割を果たしています。つまり、NASAにとって、これら専門家のITセキュリティのスキルを測定し、その有効性を確認することが大変重要です。NASAは様々なトレーニング会社によるITアセスメントを検討しました。しかしながら、そのほとんどは、現在のスキルを客観的に認定するというよりも、自社のトレーニング商品を売るために設計されたものでした。NASAのITセキュリティ・アウェアネス・トレーニング・センターのプロジェクトリーダーであるロバート・ソロモン氏は採用やスキル認定のために、オンラインによるスキル測定ツールを特別に作成することにしました。

解決策

NASAはSHLに問い合わせました。両社の協力で、NASA独自のニーズに特別に対処するアセスメント・プログラムがあつらえられ、職務に求められる重要なITセキュリティ・スキルを持つ社員を認定するためにカスタマイズされたテストが開発されました。アセスメントでは、コンピューター適応型テスティング(Computer Adaptive Testing : CAT)の技術を用いて、知識の程度も測定できます。CATとは受検者の能力レベルに合わせて設問の難しさをダイナミックに調整する技術です。ソロモン氏は次のように説明しています;『テストは受検者の知識の上限に適応します。重要な社員のスキルについて正確で偏りのないスナップショットを得たいと思うすべての企業にとっての重要な特徴です。』また、それぞれのテスト内容は異なりますから、カンニングのリスクも低減されます。

SHLのスキル・アセスメントのもうひとつの特徴はその柔軟な構造です。一連の認定試験を使って個人が自分のスキルを評価できます。構造の最初の要素がプライマリー検定で、インターネット・セキュリティや基本システム環境をカバーします。二次認定は選択式で、その他の具体的なオペレーティング・システムをカバーします。この構造のおかげで受検者は基本的なITセキュリティ・スキルの認定を受けながら、さらに、キャリア開発のためのスキルを確認する機会を得られます。マネジャーにとっては、そのテストの結果によって組織全体に渡る利用可能なスキルについての詳細な像を得ることができます。

成果

現在、SHLのアセスメントはNASAのシステム・アドミニストレーター選抜プロセスの重要な構成要素です。実際、そのポジションにつくためには、すべての候補者や社員がアセスメントであらかじめ定められた最低点を越えなければなりません。アセスメントはまた、客観的なスキル測定プラットフォームや、即座に結果が得られる報告システム、ISO 9001-2000認定開発プロセスを通じて妥当化されたアセスメントを提供します。さらに、インターネットでアクセスできるという点で、受検者やプログラム・マネジャーの時間や資源の縛りに対応でき、ITセキュリティにおける一貫性が提供されます。ソロモン氏によれば、『3,000人を対象とするこのプログラムを現在動かしているのは4人です。』

多くの組織と同様、NASAはスキル測定戦略へのアプローチに際して、社員が職務をうまく遂行できる能力を有していることを示す方法を探っています。今日、NASAのスキル測定システムは、重要スキル認定の客観的測定手段を提供することによってだけではなく、さらに、組織の成功にとって重要な社員や契約業者の間で継続的向上の触媒としての役割を果たすことによって、成果をもたらしています。

宇宙開発のリーダーNASAでSHLテストが活用されている事例です。残念ながら日本エス・エイチ・エルではITスキルのテストはまだ扱っていません。しかし、我々はテスティング技術の専門家として正確かつ実用的な測定を提供するためのノウハウを持っており、この事例のようにコンテンツについての専門家と協力できれば、貢献できる範囲はどんどん広がっていくとわくわくします。

堀 博美

このコラムの担当者

堀 博美

日本エス・エイチ・エル株式会社

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