事例:テスコ――新設職の評価プロセスをSHLと共同で開発
公開日:2011/12/20
このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループのネット配信「SHL Newsletter」や広報誌「SHL News」、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
今回は、英国のスーパーマーケット最大手テスコ(Tesco)の、アセスメント活用事例をご紹介します。
テスコのような超成功企業でさえ、ビジネスニーズの進化に合わせて、周期的に変化、適応、再編しなければなりません。たとえ職が失われるという事態にならなくても、移行は難しいものです。企業は、そのような移行を公平で合法的、かつ関係者全員のやる気を高めるようなやり方で実施するよう注力しなければなりません。
テスコのIT部門はこれまでビジネスの効率化をうまくサポートしてきました。しかし、ジェミニ・コンサルティングとの共同作業から、マネジメント構造を改革する必要があることが明らかになりました。このこと自体はおそらくよくあることですが、このケースの場合、一般的な他のリストラクチャリングと異なる側面がいくつかあります。
- 個人に関して、限られたパフォーマンス・マネジメント・データしかなかった
- 役割が変化していた
- 余剰人員の解雇はしなかった
- 在職者は極めて貴重で有能で、もし彼らが望めば別のIT職にすぐ転職できるような人材であった
- スケジュールがかなり厳しかった
- 数社の異なるコンサルタント会社がプロセスに関係していた
SHLとの共同作業で、テスコは、新しい役職で重要であるとされたコア・コンピテンシーを測定する、職務関連アセスメント・プロセスを設計しました。これらのアセスメントがIT職100名以上に実施され、組織構造の中で新しく定義された役職とのマッチングが行われました。アセスメントはテスコ、ジェミニ、SHLアセッサーの混成チームで実施され、プロセス全体は2ヶ月で完了しました。
テスコ人事部のデビー・フラナガン氏は次のようにコメントしています。『新しいビジネス目標を遂行するための、新しい簡素化された仕組みができました。よりオープンで、はるかに明確なアカウンタビリティを持つものです。これが驚くほど短い期間で達成でき、かつ、個々人がプロセスについて肯定的な気持ちを持ったままでいることができました。』
今年も残すところ2週間あまりとなりました。震災や放射能問題など人々の価値観を揺るがすような大きな出来事があった年でした。読者の皆様も人事計画やスケジュールなど大幅な見直しにご苦労なされたのではないでしょうか。
ともすれば内向きになりがちな時代、本コラムが皆様の視点を日本の外へと広く向けていただくきっかけになっていれば担当者としてうれしく思います。来年もよろしくご愛読のほどお願いいたします。

このコラムの担当者
堀 博美
日本エス・エイチ・エル株式会社