新卒者の3分の2が最初の職を後悔
公開日:2014/09/17
このコーナーは、イギリスのCEB SHL Talent Measurementがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
今回はオンラインサイトHR Magazineの掲載記事(8月21日付)をご紹介します。
世界中のさまざまな業界約4000社の調査から、新卒者の3分の2が最初に就いた職務を後悔していること、さらには、新卒者の4分の1が入社1年以内に最初の職場を去っていることが明らかになりました。
また、企業が応募者をひきつける戦略と、応募候補者が企業について重視する特徴の間に断絶があるようです。新卒者の半数がブランドや評判で応募する企業を選びますが、その点に採用コストをかける企業はわずか5%です。
その結果、世界で毎年1.29億人の学生が卒業しているにもかかわらず、世界中の企業の87%が『新卒採用人数が予定枠に達しない』と回答しています。
CEBチーフ科学分析オフィサーEugene Burkeは、現在の新卒マーケットは悪循環に陥っていると警告します。
『今日の新卒者は、自分が成長して、持てる才能を発揮し、企業の中で進んでいけるどんなチャンスがあるかをわかりたいと思っています。多くの企業はただ、彼らを定着させて高い業績を上げる人材にするには何が必要なのかについての明確な知見を欠いているのです。』
企業は行動しなければならない、さもなければ新卒採用戦略の投資効果は引き続き失望するものとなるだろう、とBurkeは続けます。
『企業と採用業界にとっての選択は簡単です。うまくいかない昔ながらの同じやり方を続けながら物事が変わることを期待するか、もっと見返りのある、新卒者に応募先として選ばれるような有効なブランドを構築するより賢明なモデルを採用するか、です。』
日本でも「大学新卒者の3割が入社3年以内に退職」というデータが話題になりました。世界的に景気が上向きつつある現在、企業人事にとって、有能な人材をいかに惹き付けて定着させるかというテーマの重要度が上がってきたことを感じさせる記事です。

このコラムの担当者
堀 博美
日本エス・エイチ・エル株式会社