CEB白書:リクルーターを人材アドバイザーとして再定義する(3)
公開日:2016/03/14
このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるCEB SHL Talent Measurementがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
リクルーターに関するCEB白書を連載してご紹介しています。前回までで、今後のリクルーターのあるべき姿は「人材アドバイザー」であると問題提起しました。今回は、人材アドバイザーの能力を行動レベルで詳しく論じています。
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人材アドバイザーの能力を構築する道筋
プロセスの効率化・自動化による恩恵はほぼ達成済みです。リクルーティング機能を向上させる可能性が最もあるものは「パイプラインマネジャー」能力と「戦略アドバイザー」能力を開発することです。
次世代能力を構築し、リクルーターに人材アドバイザー能力に焦点を絞らせるためには、次の3つの重要質問に答えなければなりません。
- 人材アドバイザーにはどんな能力が必要か? それらの能力をどのように行動に転換できるか?
- 人材アドバイザーをどのように評価・選抜して、強力なリクルーティングチームを構築するか?
- 人材アドバイザーの役割についてどう伝え、リクルーターにそれらの能力の責任を持たせるか?
人材アドバイザーの特徴を明らかにする
先述したように、人材アドバイザーは特定のビジネスや労働市場についての知識を応用して会社や応募者が最適な雇用決定に到達することを助けます。図表2は14個の重要能力を示しています。オレンジの棒がパイプラインマネジャーの能力、青の棒が戦略アドバイザーの能力です。それぞれの棒の長さは、各能力がリクルーターの業績に影響する程度を表します。
当然のことですが、会社の人材戦略について深く理解しているリクルーターは同僚よりも20%高い業績を上げます。その次に強力な能力は、「雇用側マネジャーの説得」、「労働市場に関する専門性」、「世代のリード」、「会社のビジネス知識」です。
図表2 インパクトの高い人材アドバイザー能力
次の図表3では、左に影響の最も大きい人材アドバイザー能力5つ、右にそれぞれに対応する行動を示します。
- まず最初に、人材アドバイザーは人材戦略の根幹を雇用決定に反映させます。要望をただ満たすだけでなく、より広い人材戦略の文脈の中でそれらを最適化します。
- 2番目に、彼らはただ雇用側マネジャーを満足させようとするのではありません。ビジネス全体のために異議を申し立て、正しいことをするよう協力します。
- 3番目に、彼らは会社の人材戦略に関する自分の広範な知識や労働市場の理解を使って、いつ、どこで、どのようにトップ人材を見つけるかを知っています。自分の知識を働かせて市場の動向についての雇用側マネジャーの期待を形成します。
- 4番目に、人材アドバイザーは狙いを絞った人材パイプラインを構築します。ただ募集を出して後は願うだけではありません。
- 最後に、彼らは自分の採用推薦のビジネスロジックを明確かつ説得力を持って伝えます。
図表3 人材アドバイザー能力を行動に置き換える
図表4に人材アドバイザーが体現する全11個の能力と、それら能力が具体的にどう行動に置き換えられるかを示します。「よりコンサルティング的かつ戦略的になる」とは実際はどういう意味なのかを考えるリクルーターにとって、この表は道筋をよりわかりやすくしてくれるでしょう。
図表4 人材アドバイザー行動マップ
人材アドバイザー能力を具体的な行動につなげる
白書の原題は「Redefine Recruiters as Talent Advisors」。
https://www.cebglobal.com/shl/uk/forms/insights/redefine-recruiters-as-talent-advisors/
からダウンロードできます。(お名前などの入力が必要です。)

このコラムの担当者
堀 博美
日本エス・エイチ・エル株式会社