コラム

人事コンサルタントの視点

社員のメンタルヘルスと健康を会社がどうサポートできるか?

公開日:2017/05/15

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるCEB SHL Talent Measurementがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
今回はメンタルヘルスに関するCEBブログの記事をご紹介します。

会社は、社員が何を欲しているかを理解し、提供しているサービスを使うよう促すべきです。

最近の調査によれば、職場におけるメンタルヘルスや薬物乱用問題の影響を過小評価している会社が多いのかもしれません。

この「メンタルヘルスと薬物乱用に関する福利厚生」調査は、International Foundation of Employee Benefit Plan(従業員福利厚生プラン国際財団)が米国企業247社を対象に実施したものです。64%の会社がメンタルヘルスや薬物乱用の影響を受けている社員は30%以下であると回答しました。

しかし実際、『National Institute of Mental Healthによればアメリカ成人の5人に1人が精神的な病に罹っており、Open Society Instituteによればアメリカ成人の10人に1人が薬物乱用に苦しんでいる』という事実があります。

調査結果はまた、91%の会社がアセスメントやカウンセリングなどのメンタルヘルスサービスを社員に提供するEAP(employee assistance program:従業員支援プログラム)を提供しているが、ほとんどの社員がそれらプログラムを利用していないことを明らかにしました。

大部分の会社が「健康」や「福利厚生」にお金を使い続け、また社員は会社がそうすることを期待しています。CEB調査で83%の会社が現在、心や精神面の健康に関するプログラムを提供していると述べていることからも、これが「健康増進策」の中でかなり一般的な要素になってきたことがうかがえます。

しかしながら、会社は自分たちの健康施策が社員が求めるものにぴったり合っているようにしなければなりません。社員のメンタルヘルスデータ(保険請求など)やその他のデータ(フォーカスグループ、アンケート調査など)を収集・分析して自社特有のニーズを明らかにすることによって、健康施策の適切さを改善できます。

CEBの分析によれば、トータルな報酬体系を適切化することで社員の精神面のニーズに対処することによって、社員のパフォーマンスは3%上がります。そして、精神面のニーズへの対処は特に、初級・中級レベルの社員に有効です。

EAPの利用率の低さに対処するには、用意された福利厚生をより多くの社員が利用するよう促すべくコミュニケーションを改善すべきです。

実際、自分たちのコミュニケーションがうまくいっていて社員に福利厚生の情報通になるよう促すことができている、と考えている会社はわずか33%です(CEBデータ)。きちんと設計されたプログラムを社員が最大限に活用するためには、適切なコミュニケーションの内容や経路、情報源が鍵です。

福利厚生が自分に個人的に合っていると社員が思う時、社員がそれを利用する可能性は高まり、会社の施策に対する認知も高まります。それが回りまわって、より健康で幸せな高業績社員を生み出します。

この記事はこの問題の先進国であるアメリカでの話です。5人に1人が精神的な病に、10人に1人が薬物乱用にかかっているという数字は今の日本から見ると驚きでしかありません。
しかし、日本でもEAP(イープ)という言葉はこの10年くらいでよく聞かれるようになってきました。EAPを請け負う外部機関が大小さまざま出てきました。特に労働安全衛生法の改正で2014年から年一回のストレスチェックが義務化されたことで、皆様の意識も強くなったこととと思います。今後、日本社会はどういう方向に進むのか、アメリカから学べることがあるかもしれません。

堀 博美

このコラムの担当者

堀 博美

日本エス・エイチ・エル株式会社

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