事例:アムジェン
公開日:2018/02/12
このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるCEB SHL Talent Measurementがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HP、プレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
今回は幹部候補者育成プログラムでのテスト活用事例をご紹介します。
アムジェン
- 世界最大のバイオ医薬品メーカー
- ガン、肝臓病、関節リウマチ、骨疾患など重い病気と闘う数百万人の患者を助ける
- 1980年創業、世界100カ国以上で事業展開
アムジェンはCEBのHiPoソリューションを導入しました。管理職が成功する確率が高まり、能力開発への投資に対する見返りが大きくなり、アムジェンが競争の厳しいマーケットで勝ち続けることに役立っています。
顧客の課題:リーダーが失敗するリスクを最小限に抑える
将来の成長を確保するために、アムジェンは適切な時に、適切な場所に、適切なリーダーを置くことを必要としていました。それは、戦略的人事プログラムや重要職位の後継者育成計画で誰を育成するかについて、もっと賢明になるべき、ということです。
会社のホライズン・プログラムは、部門リーダーに上がりたいという意欲を持つ中堅管理職に能力開発の道筋を提供するものです。
アムジェン・ヨーロッパの人事部長であるゲーリー・セイガー氏は次のようにコメントしています。「上級リーダーの後継者の決定間違いは大きなリスクとなります。重要職の後継候補者たちを育てるには、狙いを絞って賢く時間と金を投資しなければなりません。リーダーの後継者を間違って選ぶと、事業業績とスタッフのエンゲージメントの両方にじかに影響を与えます。」
「我々は、プログラムから最も恩恵を受け、最終的に将来のリーダーとして成功する人を必ず選抜したいと思っています。我々のゴールは、その人たちに上級職に上がるために考えられる最良の準備をさせ、それによって、空席が生じた時に彼らがすぐにも昇級できるようにすることです。」(セイガー氏)
解決策:CEBのHiPo識別・育成ツール
アムジェンは後継者である将来リーダーの見つけ方の振り返りから始めました。リスクを低減して強力な投資効果を生み出すために、プログラムの最初にポテンシャルのより客観的な指標が必要であることに気づきました。
セイガー氏は述べています。「我々には将来のポテンシャルの、しっかりした信頼できる予測指標が必要でした。我々が選択したソリューションには時間のかかる360度フィードバックは含まれていません。飲み込みが早いなどひとつの特性ではなく、ポテンシャルを全体的に見ることに焦点を当てました。」
パートナー探しの結果、アムジェンはCEBを選びました。
「我々はCEBメンバーでしたのでCEBが実施したハイポテンシャル者(HiPo)の研究はよく知っていました。それに世界をリードするタレントアセスメントが加わると、組み合わせは最強です。HiPo識別ツールや、それをサポートするテクニカルリポートと信頼性分析を見た時、これこそがまさに我々が求めているものだとわかりました。」(セイガー氏)
アムジェンはCEBのHiPo識別ソリューションを試験運用しました。ソリューションはパーソナリティと意欲と知的能力のオンラインアセスメントを用い、業界平均と比較して、真のハイポテンシャル者を明らかにするものです。
「我々の通常の人材レビューでHiPoと識別された人のうち、アセスメントの結果、真のHiPoであるとされた人はわずか24%でした。我々がポテンシャルを見るやり方を向上させるためにやるべきことがあるのは明らかでした。」(セイガー氏)
より正確なHiPo識別を助け、より効果的な能力開発への投資を狙うために、アムジェンは以下のやり方でヨーロッパ全体でCEBソリューションを展開しました。
- トップ人材のキャリア移行プログラムの「入口」として。
- 識別された後継者の準備状態を診断し、能力開発ニーズを特定するために。
- マトリクス組織でリーダーたちのポテンシャル判断が食い違う場合に客観的なアセスメントを提供するために。
結果:将来の管理職の成功確率が向上
現在、このソリューションは、アムジェンの後継者育成計画のための毎年の人材レビューの一部で部門リーダーを希望する指名者全員の適格さを判断するために、また随時実施されるポテンシャル指標として、使われています。
セイガー氏によれば、パフォーマンスとポテンシャルの違いについて管理職と人事の理解が改善したことで、将来のポテンシャルがより正確に識別できるようになっています。これはアセスメントの結果に表れています。「私は100%の正確性を期待しているのではありません。ルーレットに例えると、我々はもう36個の数字のうち一つの数字だけに全部のチップをかけるのではなく、その代わりに赤か黒かでかけているのです。」
また、候補者に引き継ぎに向けての準備をさせる際、候補者の能力開発ニーズを狙って、かつ彼らの強みに立脚していくことにも役立っています。「我々の能力開発プログラムは今でははるかに候補者のニーズとビジネスニーズに合ったものになっています。ですから、彼らが将来のリーダー職で成功し、我々の投資は長期的に報われるということに、我々は大きな自信を持つことができています。」(セイガー氏)
また、管理職が昇進や採用の決定をどのように下すかのカルチャーが変わったことに人事が気付き始めたそうです。「将来のポテンシャルと長期的なパフォーマンスの両方を見る必要があるというメッセージを社員が受け取り始めました。これは、過去の人事決定のしかたから見て、考え方の大きな変化です。」(セイガー氏)
ビジネス的に高く納得されたことで、ソリューションはヨーロッパの外、つまりアメリカや中東、アフリカでもインフォーマルに展開されるようになってきましたし、社外からの採用での使用も増えてきました。
セイガー氏はCEBとのパートナーシップがプログラムの成功の中心にあると考えています。「リーダーの成功確率を高めることによって、CEBは我々がリスクを低減し、素早く変化するマーケットに適応することを助けています。HiPoソリューションに関するアドバイスから、社内での位置づけ、人事リーダーのトレーニング、我々が行う結果フィードバックへの支援まで、彼らの専門性が終始、重要でした。」と彼は結びます。
会社の将来を担う幹部候補者の発掘、育成にアセスメントが活用された事例です。

このコラムの担当者
堀 博美
日本エス・エイチ・エル株式会社