コラム

人事コンサルタントの視点

CEB白書「タレント・アセスメント・テクノロジーの台頭」(連載1)

公開日:2018/04/09

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるCEB SHL Talent Measurementがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HP、プレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
今回から「タレント・アセスメント・テクノロジーの台頭」というタイトルのCEB白書をご紹介します。何回かに分けて掲載する予定です。

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多くの人事管理ツールと同様、社員のアセスメントにも流行り廃りがあります。この5年ほどの間、テクノロジーによって新しく可能になったアセスメントについて、いくつかの研究はありますが、結果は概ね不十分で結論に至っていません。革新的なアセスメント手法についての科学的な研究はほとんどなく、それらツールの有用性を評価できるだけの信頼できるエビデンスはないままです。

『例えば、ゲームの手法を応用したアセスメントは状況判断力テストをデジタル化したものに相当し、デジタル・インタビューは伝統的な選抜面接をコンピューター化したものです。また、LinkedInのようなプロフェッショナル・ソーシャル・ネットワークは、履歴書や推薦状の現代版に当たります。』(チャモロ・プレミュジックら(2016))

最近の調査結果は、新しい人材管理ツールそれ自体の開発ニーズを必ずしも支持していません。採用プロセスの他の側面(面接の実施方法やプロセスのスピード、本人へのフィードバック内容など)と比べ、アセスメントの実施方法に対して受検者はあまり疑問を感じていないようです。

テクノロジーによって可能になったアセスメントの魅力には、人材管理の問題を解決するポテンシャルがありますが、初期に導入する会社は、役立つことがまだ証明されていないツールを導入するリスクを負います。この白書は、あなたがあなたの会社で新しいテクノロジーを活用するかどうか、するとすればどのように活用するかについて考えることができるよう、新テクノロジーを評価する全般的な基準を提示し、既存のレビューを集めました。

伝統的なアセスメント:
妥当性や費用対効果、少数グループに対する不利な影響などの点で、最も詳しく研究成果が蓄積されてきた測定ツールです。イノベーションのおかげで測定や受検者体験が継続的に改善されています。心理測定学の進歩がコンピューターによる適応型テストのようなイノベーションにつながったり、テクノロジーの進歩が携帯デバイスによる実施などアセスメントへのアクセスのしやすさを改善したりしています。
ゲームの手法を応用したアセスメント:
受検者のエンゲージメントや意欲を高めるメリットがありますが、不安など心理的なインパクトや少数グループに対する不利な影響などについて、より研究が必要です。
職務シミュレーション:
表面的妥当性を高め、少数グループへの不利な影響を低減できます。受検者の反応は非常に肯定的ですが、開発に費用がかかります。
シリアスなゲーム:
パフォーマンスの妥当な予測変数としていくつか大きな懸念点があります。役割につながりがない状態での受検者のゲームに対する反応は未知ですが、好ましくないものかもしれません。ゲームの賞味期間は短いため開発コストがメリットを上回ります。

近年、特にアメリカではゲームの要素を取り入れた採用選抜ツールが増えているようです。この白書はこのGamificationのトレンドについての現時点での知見をまとめています。

白書の中で、「Gamified assessment(ゲームの手法を取り入れたアセスメント)」と「Serious games(シリアスなゲーム)」は区別されています。前者は従来のアセスメントにいくつかのゲームの要素(ストーリー性やフィードバックのしくみ、双方向的な項目、順位など)を取り入れたもの。後者は純粋なゲームに近いですが、エンターテイメントが目的ではなく、個人の特徴や行動を測定する新しい手法として開発されたものを指しています。

次回、これら新しいアセスメント全般についてあらためて整理し、その後、それぞれのタイプについて詳しくご案内します。

堀 博美

このコラムの担当者

堀 博美

日本エス・エイチ・エル株式会社

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