コラム

人事コンサルタントの視点

ジェンダー・ダイバーシティの促進:リーダーシップ・チャレンジにおいて女性がリード

公開日:2018/10/15

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるSHL Group Ltd. がお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HP、プレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。

今回はSHLグループのHPに掲載されているブログの記事をご紹介します。

リーダー候補者を倍増させ、リーダーの成功度を劇的に向上させるにはどうしたらいいでしょうか?

答えはおそらくあなたが考えているよりもストレートなものでしょう。秘訣は?ジェンダー・ダイバーシティです。

ジェンダー・ダイバーシティはラスベガスで開催された今年の「HRテクノロジー・カンファンス」のメインテーマのひとつでした。私はこの記事をその会場から執筆しています。今年のイベントはかつてないほど大規模なもので、人事部門が将来の労働力を構築して管理することを支援する革新的なテクノロジーがたくさん展示されていました。しかし、いくつかの問題はまだまだ進行中の仕掛品であり、そのひとつがジェンダー・ダイバーシティです。

女性は人口の半分を占めていますが、ほとんどの会社は女性のリーダー候補者を見つけることが難しくなっていると報告しています。組織はますます複雑で不透明な事業環境に直面しているため、新しいチャレンジに就くための適切なスキルと経験を持つリーダーを見つけなければなりません。より大きな責任を担える用意のある人がベテランの専門家であっても、もしくは、意欲あふれた若手リーダーであっても、そのチームや職種、組織が直面している特定のチャレンジに合ったリーダーを見つけることが極めて重要です。

SHLの最近の研究で、我々はリーダーの成功を左右する27個のチャレンジを明らかにしました。興味深いことに、これらのビジネス・コンテクスト(背景)のほとんどにおいて女性の方が成功しそうなことがわかりました。実際、27個のチャレンジ中21個において、女性は男性を顕著に上回る可能性があります。下のグラフは、これらチャレンジのうちの4つ、すなわち「対立点の多い風土を変える」「不確実性の高い環境で結果を出す」「高い利益率を出す」「リソースが大きく限られている中で仕事を進める」について、女性がかなり有利であることを示しています。

チャレンジ特有のリーダーシップ・ソリューションで女性が有利な傾向があります。しかし、緊急に強い候補者を見つけなければならないのにもかかわらず、女性は全てのレベルのリーダー職で未だ少数しか存在していません。さらに、同じ仕事をしていても女性は男性よりも給与が低い傾向があります。

採用や準備状態などリーダーシップに関する意思決定は客観的データなしに行われることが多い、というのが現実です。つまり、その職務におけるリーダーとしての成功を実際に決める要素を考慮に入れることなく、誰を採用したり昇進させたりするかを決定することが多く、無意識かつシステマチックなバイアスが入り込みます。

前線の電話オペレーターや営業の職務では、会社は適切な候補者の評価と選抜に膨大な資金を投資します。しかし、同じ厳密さやデータ、客観性をリーダーについての決定に当てはめることはあまりありません。その代わりに、関連経験やポテンシャルについての主観的意見に頼ります。リーダーシップについての間違った意思決定が組織の勢いや評判、収支に与える影響は、雇用に関する他の間違いよりも、即効性がありより有害であることを考えると、これは一層驚かされることです。

ジェンダー・ダイバーシティの欠如はモラルや公平性の問題だけではありません。ビジネスの問題です。あらゆる組織の成功は、高い業績を上げるリーダーを惹きつけ、能力開発し、保持する能力にかかっています。ジェンダー・ダイバーシティを加速することで実質上、リーダー候補の人材プールは倍増します。我々の研究は、最も緊急なビジネス・チャレンジに直面する準備は女性も同様にできている、もしくは女性の方が上回っていることを示しています。

形勢を一変させるために、人事とビジネスリーダーは、リーダーの選抜や後継者育成計画についての長期に渡って確立されてきたやり方のいくつかに異議を唱えなければなりません。秘密の会議や気に入った候補者を推すロビー活動の先に進まなければなりません。予測力の高いアセスメントツールと客観データを活用することによって、組織は、現在の差し迫ったチャンレンジ、そして将来のチャレンジに見合ったリーダーシップ・ポテンシャルを測定できるのです。

「女性を視野に入れることで、候補者の数は倍増する」-当たり前のことですが、あらためて言われるとハッとしました。パーソナリティ面のポテンシャルで見ると、女性の方が適性のある課題が少なからずあることも新たな気づきです。

堀 博美

このコラムの担当者

堀 博美

日本エス・エイチ・エル株式会社

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