応募前の段階でベストフィットの応募者を惹きつける3つの方法
公開日:2019/09/09
このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるSHL Group Ltd. がお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にユーザー向けネット配信、HP、プレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
今回はSHLグループHPのブログに掲載されている記事をご紹介します。あるアメリカのレストランチェーンの採用の質を改善した取り組みです。
SHLの支援で、あるレストラン・チェーンが、応募者によい応募経験を提供しながら、大きな応募者プールから絞って採用の質を向上させました。
失業率が記録的に低い今、トップ人材をどう惹きつけるかは多くのリーダーたちが自問する問題です。SHLは先日、企業が応募者を惹きつける活動を促進する4つの側面を取り上げました。すなわち、①ブランドメッセージを優先させる、②リアリステック・ジョブ/カルチャー・プレビューを加える、③選抜アセスメントを組み込む、④面接プロセスをアップデートする。
あるアメリカ本社のレストランチェーンが、SHLとパートナーを組み、大量の応募者プールをうまく絞り込んで、新規採用者の質をあげました。全米レストラン協会によると、2019年の売上予測は8630憶USドルで、今後10年間で1600万件以上の職務が新しく作られます。業界にとってこれは前途有望な情報ですが、しかしまた、各企業にとっては市場で自社を差別化し、採用プロセスにより戦略的なアプローチをとることが必要です。我々のお客様もそのことをよくわかっていました。
職務に空きがでたときに候補者の適合度を判断する彼らの採用プロセスには、大きく4つの基準がありました。
- 組織風土に合っているか?
- 自分に求められる仕事を理解しているか?
- 求められる仕事をすることに抵抗はないか?
- うまく仕事をするためのスキルを持っているか?
顧客が人材獲得競争を有利に進められるよう、SHLはレストラン業界の背景を幅広く検討して、その会社特有の風土を深く理解し、科学的なアプローチで職務役割の理解とアセスメントに取り組みました。そして、顧客に、ベストフィットの候補者を惹きつけてエンゲージさせる3つの方法を提供しました。
#1 組織の風土を反映したシナリオを設計する
SHLは顧客と緊密に協力して、その風土や職務役割の特徴の理解を深めました。次のような問いへの答えを集めました。
- 仕事で従業員をワクワクさせるものは何か?
- 貴社が他のレストランチェーンと違うところは何か?
- 従業員が新しく採用されたときに組織について彼らが一番驚くことは何か?
- その仕事の、一番楽しいこと/一番楽しくないことは何か?
SHLが収集した情報から、この顧客の風土のカギとなる特徴をまとめる4つのシナリオが生まれました。顧客はこれに映像と音声をつけて採用ページに載せ、興味を持った候補者が、応募前に顧客の組織風土について把握できるようにしました。SHLはまた、顧客の特徴を見せられるようなアニメーションビデオやライブ映像を提供しました。
シナリオは従業員としての最高の経験を描いたり、会社のアイデンティティの中心である家族が楽しく食事をしている雰囲気を強調したりするものですが、4つのシナリオのいずれもがレストランが大切にしている風土のユニークな側面を共有するものです。
#2 各シナリオに質問を付けて、候補者にリアルタイムのフィードバックをする
SHLは各シナリオに数個の質問を組み込み、提示された風土テーマについて候補者に率直な反応をしてもらいました。これらの質問をもとに、リアリスティック・ジョブ・プレビュー完了後に候補者にリアルタイムのフィードバックをします。フィードバックによって候補者は、自分がこの会社の風土によく合っていそうかどうかを判断できます。アセスメントプロセスに進むかどうかを自分で選ぶチャンスが与えられます。
#3 顧客に合わせてカスタマイズしたアセスメントツールを作る
適切な候補者が応募に進むようにしただけはありません。SHLの次のステップは、顧客のデータ主導の採用決定の支援です。顧客から職務に関連するデータを収集し、候補者がうまくその仕事をするためのスキルを持っているかどうかを顧客が理解することに役立つようなアセスメントツールをしつらえました。その候補者が会社の職務に会っているかどうかを採用担当者が深くできるよう、候補者のアセスメント結果をもとにした面接ガイドも作成しました。
候補者の応募経験に焦点を当てることで、SHLは顧客を支援しました。緊密に連携して適切な候補者が応募の段階に進むようなリアリスティック・ジョブ・プレビューを構築し、さらに、各職務に合ったアセスメントツールを提供することでパートナーシップを前進させました。今日の経済状況では、合わない候補者を選抜プロセスから落とすだけではやっていけません。そもそもの最初の段階で質の高い候補者を惹きつけて選抜プロセスに乗せることが大切です。
原文はこちらです。
https://www.shl.com/en/blog/3-ways-to-attract-and-engage-best-fit-candidates-before-they-even-apply/
筆者はMorgan Robertson。SHLアメリカのタレント・ソリューション・コンサルタントです。
最後の段落、選抜では応募者集団の形成が一番大切であること、人事の皆様にとっては当たり前のことでしょうが、そのための工夫として参考になりましたでしょうか。

このコラムの担当者
堀 博美
日本エス・エイチ・エル株式会社