事例: IT人材採用―AIを活用したコーディングシミュレーション
公開日:2021/08/16
このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるSHL Group Ltd. がお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループHPのプレスリリースやブログなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
今回は世界最大のIT企業が、SHLのIT採用ソリューションを使用してソフトウェアエンジニア向けの公正で効率的な人材評価プロセスを構築した事例をご紹介します。
企業
業界:テクノロジー、規模: 100万人以上、地域:グローバル
課題
プログラミングがビジネスの核である場合、最高のIT人材が必要です。クライアントは世界で最も有名で急速に成長しているブランドの1つです。1つの仕事に対し何千もの応募があるため、最適な候補者をすばやく特定することは困難でした。
既存の採用プロセスでは候補者のコーディングスキルについて限られた知見しか得られず、また、絞り込みの段階で優秀な候補者が漏れてしまうこともありました。彼らは、時間とお金を節約しながらも、採用プロセスの早い段階で最高のIT人材を見つけるために、100%正確なコードを書くこと、学業経験、職歴といった通常のパラメーターを超えたソリューションを必要としていました。
なぜSHLなのか
クライアントは、候補者を公正に評価するために、妥当性の高い科学的なアセスメントツールを幅広く提供できるベンダーを探しました。彼らは、より大きな人材プールへアクセスでき、採用プロセスの公正性と正確さに自信をもつことできるソリューションを望んでいました。SHLの妥当性の高いコーディングおよび知的能力テストが、彼らの厳しい基準を満たしました。
AIを活用したSHLコーディングシミュレーションは、従来のパラメーターを超えて、候補者が書いたコードの論理的な正確性と質について評価します。また、人材プールを広げて、より多くの優れた候補者を特定します。コーディングシミュレーションは複数のバリエーションがあり、採用担当者は役割や経験に応じて候補者を評価できます。強力な不正行為防止テクノロジーと問題の漏洩を防ぐ厳密なプロセスをもち、採用プロセスの公正さを維持します。
とりわけクライアントが惹かれたのは、ソリューションの導入や運用管理が円滑に進むようにするためのSHLチームのコミットメント、柔軟性、敏捷性でした。
ソリューション
ベストな候補者を選抜するために、ハードルベースのアプローチが導入されました。最初に適応型のスキルテストによって知的能力を、コーディングシミュレーション(Fix)によって基本的なコーディングスキルを測定し、合格者だけが自動的に次の段階へ進めます。2つ目のハードルでは、AIを利用したコーディングシミュレーションによってコーディングスキルをより詳細に測定します。クライアントがコードコンパイルについての従来のパラメーターと合格したテストケースだけを見て優れた開発者をふるい落としてしまわないよう、候補者のコーディング能力に関する深い知見が提供されます。
SHLの専門家チームがクライアントのチームと緊密に連携して、カスタマイズの問題群を作成しました。盗作チェック、IDカードによる本人確認、定期的なスナップショット、ブラウザー切り替え、遅延チェックなどを備えた、強力なAIを活用した不正行為防止テクノロジーを使用しました。問題バンクを定期的にモニターすることで、問題の漏洩を防ぎました。
候補者と採用担当者の両方に対して、チャットやEメールによる24時間年中無休のワールドクラスのサポートが行われました。また、候補者のための練習用サイトを作成し、クライアントが候補者に素晴らしい受検者体験を提供し、自社ブランドについて永続的な印象を残すのを支援しました。
結果
SHLはほぼ10年間、彼らのニーズの変化に合わせて継続的に進化しながら、このクライアントと強力なパートナーシップを築いてきました。私たちは、大卒者やインターンシップの採用、および経験者採用において、ベンダーとして信頼されています。当社のソリューションは、米国、インド、南アフリカ、ポーランドでグローバルに使用されています。また、データアソシエイトやトランスクリプションなどIT人材以外の採用プログラムもサポートしています。合計で、年間30万人以上の応募者のアセスメントを支援しています。
原文はこちら。
https://www.shl.com/en/customers/success-stories/technology-company/
コーディングシミュレーションテストを、2段階で実施している事例です。コーディング能力について得られる知見が増え、自動化が進んだことで、採用の質と効率、そしてダイバーシティも大きく改善しています。

このコラムの担当者
廣島 晶子
日本エス・エイチ・エル株式会社 主任