コラム

人事コンサルタントの視点

SHL白書『面接エクスペリエンスの実態(2022)』(3/4)

公開日:2023/03/13

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループの広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
SHLグループが出している白書『The State of Your Interview Experience Report (2022)』の全訳、第3回目です。

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60万件の面接から、3000件以上の面接をサンプルとして抽出し分析しました。インドのITソフトウェアサービス業界の10社で行われた面接であり、いずれもインド国内で実施されたものです。

分析

どのような面接であっても、適切な面接エチケットを守り、応募者中心に会話を進めることは面接官にとって欠かせません。データを分析し80%の面接官はベストプラクティスのうち少なくとも1つを行っていないことが分かりました。優れた面接エクスペリエンスを提供しておらず、妥協しています。

A)面接エチケット

70%の面接官は前述の面接エチケットの3つの指標のうち、少なくとも1つを守っていません。自己紹介は社会人として会話を始める上で基本的な礼儀です。ほぼ40%の面接官が自己紹介をしていません。

B)応募者中心の会話

企業にとって応募者ファーストの採用エクスペリエンスを設計することは重要です。従って、面接官も応募者と会話をする際には、応募者ファーストのアプローチを取る必要があります。分析によって面接官の56%が応募者中心の会話をできていないことが分かりました。特に、30%の面接官が職務や職務要件に関連しない可能性がある質問をしています。さらに、27%近くの面接官が、応募者に質問をする機会を与えていません。

面接中に行われた個人的な質問の内訳が以下の図にあります。22%の面接官は両親について尋ねており、10%近くの面接官が子供について聞いています。約8%の面接官は婚姻状況について尋ねています。

C)面接の組み立て

同じ職務の応募者に対する面接プロセスは一貫している必要があります。面接官が定められた面接のやり方に従っているかを分析しました。事前に定められた質問を使用した面接官は40%だけでした。また、面接終了後、速やかに標準化された評価基準にそって応募者を評価することも重要です。

最終的に、1つの職務の採用面接の中でさえ面接官による違い(つまり、一貫性の欠如)が確認できました。例えば、以下の図は1つの職務に対する面接で、面接官がどのような種類の質問に、どのくらい時間を使っていたかを示しています。

原文はこちらからダウンロード可能です。
https://www.shl.com/resources/by-type/whitepapers-and-reports/insights-on-your-candidate-interview-experience/
次回はジェンダーバイアスに関する分析結果と面接エクスペリエンスの改善方法です。

廣島 晶子

このコラムの担当者

廣島 晶子

日本エス・エイチ・エル株式会社 主任

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