コラム

人事コンサルタントの視点

いま最も求められている『パワースキル』をSHLが調査

公開日:2023/07/17

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループの広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
今回はSHLグループのプレスリリース記事をご紹介します。

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スキル重視の採用が増えています。組織は、技術的専門性に狭く焦点を合わせることよりも「共感性」「柔軟性」「粘り強さ」「優しさ」などのパワースキルを重視しています。SHLの最新の調査結果は様々な地域や業界のユニークなスキルプロファイルを包括的に分析し、リーダーが拡張可能なスキル戦略を構築するのに役立つ、人材に関する新しいインサイトを提供しています。

ミネアポリス・ロンドン ― 2023年6月21日 ― 人事アセスメントの世界的リーダーであるSHLが白書「Skills of the Future and Where to Find Them(未来のスキルと、どこでそれらを見つけるか)」を発表しました。この白書では職場におけるスキルの包括的な分析調査の結果が提示されています。組織が求めるものの進化に対応するために、技術面のスキルよりも行動面のスキル、つまり「ソフトスキル」の重要性が高まっていることが強調されています。

急激な変化のスピードに伴い、特にITやテクノロジーの領域では、新たな職務に就く人材を見つけて育成することがますます困難になっているとリーダーが感じており、スキルギャップによって企業の成長とイノベーションが妨げられ続けています。

「AI黄金時代を迎える中、スキルベース採用とタレントマネジメントプログラムを加速することが、成長を促進するために不可欠です。自動化とロボット工学の台頭、そして労働力の分散化に伴い、リーダーは創造的かつ革新的な思考を促進するスキルセットを活用して競争力を維持し、新しいテクノロジーによってもたらされる大きなチャンスで優位に立つ必要があります。」(Andy Nelesen SHLソリューショングループリーダー)

SHLはJosh Bersin 氏の研究を基に広範な分析調査を実施しました。Bersin氏の『パワースキル』フレームワークをSHLのアセスメントツールに紐づけ、企業組織が15分以内に業務関連スキルの完全なセットを正確に測定できるようにしました。

多様な背景を持つ約7万人の世界規模サンプルからのデータを活用し、各地域および6つの広い業界(小売、ヘルスケア、銀行および金融サービス、製造、エネルギー、電気通信)にわたるユニークなスキルプロファイルをまとめています。

SHLの調査によると、各地域は独自の強みを示しています。いくつかの地域では「楽観主義」「誠実さ」「寛大さ」が主要なパワースキルとして特徴付けられます。ヨーロッパは「柔軟性」「コミュニケーション」「優しさ」に優れており、北米は「粘り強さ」「時間管理」スキルが優れています。アジアの「誠実さ」「寛大さ」「倫理」と比べ、インド全土では「チームワーク」「寛大さ」「楽観主義」が広まっています。

「共感性」「フォロワーシップ」「好奇心」「推進力」はどの地域でも上位ではありませんでしたが、業界によっては重要な強みとして挙げられています。たとえば、「推進力」は製造と銀行・金融業界に、「共感性」は小売とヘルスケアに多く見られます。業界全体で共有されているパワースキルを活用することで、採用担当者は空きポジションの補充に苦労しているときに新たなアプローチを得ることができるでしょう。

Cameron Beazley(SHLサイエンスディレクター)はさらに次のように付け加えています。「私たちの分析では、時間の経過とともにパワースキルが台頭し、2021年から2023年にかけて人々の「粘り強さ」「優しさ」「時間管理」のスコアがより高くなったことも示されています。これらの強力なインサイトがあれば、企業組織は従業員をより深く理解し、ポテンシャルを引き出して未開発のスキルを特定する戦略を構築できるでしょう。」

世界的な業界アナリスト、作家、思想的リーダーであるJosh Bersin 氏は次のように述べています。『SHLがこの仕事をしてくれたことに興奮しています。非常に必要とされていた調査です。そしてもちろん、フレームワークとしてSHLがパワースキルを使ったことにも興奮しています。』

この白書で提示された調査は、SHLが職場におけるあらゆるスキルや価値観、コンピテンシーのフレームワークに対して紐づけて測定し、人材に関する意思決定やプログラムに役立つ客観的な人材インサイトを提供できることを示しています。

プレスリリースの原文はこちらです。
https://www.shl.com/about/news-and-events/press-releases/shls-new-study-examines-most-sought-after-power-skills/

白書はこちらからダウンロードできます。
https://www.shl.com/resources/by-type/whitepapers-and-reports/skills-of-the-future-and-where-to-find-them/

欧米では、『スキルベース採用』という考え方が人事の主流になってきているようです。
スキルとコンピテンシーはどう違うのか、識者によって言わんとしていることが若干異なっているようで、実は私自身まだよく説明できません。もう少し様々な書籍や記事を読んできちんと理解したいと思っているところです。

堀 博美

このコラムの担当者

堀 博美

日本エス・エイチ・エル株式会社

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