内定者の配置・配属を有効的に行うためのアドバイスをください。
最近は、入社3年目までは採用担当者(部署)が入社後も関わりを持ちながら育成をしていくという企業さんも増えてきましたが、残念ながら選考時の学生のデータを配置・配属に生かしていない企業さんも多いようです。「基準以上の質の学生は採ったから後は配属した現場のOJTでよろしく、育成責任はそちらですから」になっていませんか。
せっかく苦労して人材要件に合った人材を選考し各種の客観的データを持っているのに配置に生かさないのはもったいないことです。
就業経験のない新卒学生の中には、入社後に期待通り成長して行く人ばかりでなく、どうしてこの学生がこんなに伸びたのかといううれしい誤算もあれば、期待した人が早々リタイアという期待はずれのケースもあります。「せっかく良い人材を採っても現場が生かしていない。採用する人材に問題がありこちらではいまさら育成できない。」お互いがこういう意識では改善されません。採用部署から配属先に選考時のデータを是非引き継いで下さい。内定学生の配属希望をすべて聞けば学生は喜びますがそういう訳にはいきません。現場からの配置要請に合わせた配属が普通ですが、選考時の学生のパーソナリティ項目の中で注意すべき項目がある人は、配属先にきちんと情報を伝えることが必要です。
適性データに基づいた配属をすることによって、その後の成長度、リタイア度を追跡調査し内定者の傾向と配属先の育成環境との関連性をみることもできます。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長