企業における教育と学校における教育の共通点と相違点を教えてください。
教える側の立場からすると企業も学校も同じです。
相手の人生そのものを考えて指導する。それは単にスキルやナレッジだけでなく思考やお手本的な行動、常識やマナーも含めてです。叱るべき時に叱る。褒めるべきところは褒める。
教わる側は大きく異なります。
まず学校はお金を払って教わるので立場上お客様です。会社はお金をもらっているので教わるというのは給料泥棒の一種です。よって会社に貢献しつつ能力を習得し技能を見て盗む必要があります。学校は授業や試験勉強で能力を獲得しますが企業の仕事では基本的に業務の中で能力を身につけます(言い換えれば業務を通して得る以外の方法で能力は身につかない)。
また学校は教室で一律に教育を施しますが企業でその手法をとるのはもっとも効率が悪い方法です(入社直後を除く)。
もしその手法の効率が良いなら3年、5年とその教室で教育すると猛烈なエリートが多数出てきそうなものですが、そのようなケースは「ない」と断言します。これも学校と企業の大きな違いです。

このコラムの担当者
三條 正樹
日本エス・エイチ・エル株式会社 取締役