社内の昇格試験(ツール)をその後の育成に活用することは可能でしょうか。また、可能でしたら活用事例を1つ挙げてください。
可能です。
昇格試験でアセスメントセンターを実施している企業の事例です。
アセスメントセンターとは、受検者を複数の演習で、複数の観察者によって、複数の角度からアセスメントする総合的なアセスメント手法です。一般的には、1日から2日間かけて、受検者複数名が研修所などの1つの場所に集まり、筆記試験(知的能力テスト、パーソナリティ検査等)やシミュレーション演習(イントレイ、グループ討議、プレゼンテーション、ロールプレイ、ファクトファインディング等)、面接等を実施します。様々なテストや演習を通じて得られた情報を統合し、受検者の能力を客観的にとらえることが可能です。
この手法は実際の行動を観察し評価するため、結果フィードバックを受けた際の受検者の納得感が高くなります。
某大手製薬メーカーでは、課長職への昇格試験でアセスメントセンターを実施し、その結果を人事部長から、上司同席で本人にフィードバックします。このフィードバックによって、受検者の強み弱みを上司も深く理解できるようになったため、OJTをより有効に行うことができるようになりました。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員