採用もご縁だと思いますが、これまでで印象に残る縁はありますか。
採用する側としては、いつも「縁」を感じています。応募者が、当社の会社説明会に参加してくれなければ、あるいは自分が面接官でなければ、この出会いはなかっただろうなというケースが数多くあります。
自分自身も、新卒での就職活動でいろいろなことがありました。某テレビ局の2次面接の結果を夕方から電話待ちしていましたが、いつまでたっても家の電話機が鳴らない。ああ、落ちたのかと思っていたところ、深夜になって電報が。なんと電話の受話器が外れていたのです。当時は携帯電話やメールなんてなかったので、会社側もご丁寧に電報を打ってくれたんですね。電報の内容は、“明日最終面接に来られたし”でした。これって縁かも、とまだ合格したわけでもないのに有頂天になって最終面接に臨みましたが、浮ついた報いなのかうまく自分を出せず結果は不合格。しばらくは意気消沈して落ち込み、悪いことは重なるもので、原付バイクで帰宅中に軽い事故に合い一時就職活動を休止に。再開していくつか内定を獲得したときには12月中盤になっていました。
でも苦労して最後に内定をもらって入社した会社に30年以上もお世話になっています。これって、「縁」でしょう。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長