CHXにあるコミュニケーションスタイルをうまく活用している事例があれば教えてください。
よくぞ、ご質問いただきました。コミュニケーションスタイルの有用性をお伝えする機会をいただきまして誠にありがとうございます。
コミュニケーションスタイルは営業スタイルでもあります。顧客や地域、扱うサービス別に優秀営業マンが異なるという仮説をお持ちであれば、営業マンにOPQを実施してコミュニケーションスタイルの得点を算出し、それぞれのカテゴリの優秀営業マンのコミュニケーションスタイル得点を集計してみるとよいでしょう。カテゴリ別の営業適性がはっきりとわかります。
次は営業のチームビルディングに活用する方法です。近年、チーム営業によってより高いレベルのソリューションを提供しようとする動きが見られます。優れたチーム営業を行うためには、各営業プロセスのプロフェッショナルが必要です。関係構築、情報収集、課題設定とソリューション立案、プレゼンテーション、クロージング、フォローアップの各プロセスに最適なメンバーの選択をこの尺度によって行います。
最後は顧客と営業マンとの相性分析によって得られた結果から、顧客タイプ別営業手法に関する研修を行った事例です。製薬メーカーで医師とMRとのパーソナリティの相性が医師の処方にどのような影響を与えるかについての研究を行いました。医師とMRあわせて数百人にご協力をいただき、パーソナリティ検査OPQのデータを用いて相性に関する統計分析を行いました。その結果、医師のコミュニケーションスタイルごとに相性のよいMRのコミュニケーションスタイルが存在していることがわかり、さらに相性のよさと医師の処方行動には一定の相関があることがわかりました。この情報を利用して、医師のコミュニケーションスタイルを面談によって判別する手法とスタイル別の営業スタイルを定義し、MRの営業研修に取り入れました。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員