面接で適性検査のアウトプットを詳しく見ている余裕がない。受検者の個性を一言で表すようなアウトプットは可能でしょうか?
人は数パターン、数十パターン程度で表せるものではありません。面接官は可能な限りの感性を働かせて刺激を与え反応を見ながら細かく観察する必要があるのです。
たとえば競走馬の得意戦法は「逃げ」「先行」「差し」「追込」「自在」などに分かれますが、「逃げ」といってもスピードが速すぎて結果的に逃げている、強力なリーダーシップを持っているため集団の先頭に立とうとしている、馬の集団に巻き込まれるのが怖いために逃げているなど性質が異なります。さらに競りかけられるとすぐに失速して力尽きる、競りかけられると力を発揮する、可能な限り粘ってベストを尽くそうとするなど様々。
ほかにもレースに集中できる、できない、騎手との相性がある、誰が騎乗しても能力を発揮する。調教では不真面目、調教だけならG1クラス。
こういう性質のほかにも様々な性格があり、知らない人には「ただの馬」にしか見えない馬もプロの目から見れば一頭一頭すべて異なります。
本題に戻りますが面接は「応募者の一生左右する」「数億(生涯賃金)の投資をする」という選考の大きな一部である以上、個性を一言で表すような手抜きをせず一人一人を大切に見極めるような努力をすべきです。またそうしなければプロ(給料をもらう仕事)とはいえません。

このコラムの担当者
三條 正樹
日本エス・エイチ・エル株式会社 取締役