適性検査や面接で見極めて入社したはずなのに……。入社3~5年目で退職者が増えている。特に精神的に落ち込むケースが目立つ。採用選考の在り方を改善し始めた後の入社者なのでショックだった。やはり採用のやり方が良くなかったのか?
新卒の場合は職務経歴がほぼありませんので、適性検査や面接結果もあくまで予測でしかありません。採用で慎重に見極めても、入社してから仕事環境が合わない、実務能力が伸びないといった理由でついていけない社員が出ることは避けられません。
御社の場合も採用選考手法を改善して問題がないのであれば、むしろ入社後の教育、研修に課題があるかもしれません。
早期退職者の比率が高い部署の業務内容、上司のタイプなど新人を受け入れる側の組織の分析をしてはいかがですか。
なお、指導育成の方法も見直しが必要です。採用担当は採用まで、入社後の育成は配属先のOJTに任せきりといった分断があるようでは、せっかくのポテンシャル人材も死んでしまいます。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長