人あたりが高くお客様からの評判の良い営業社員がいます。印象はとても良いのですが、結局御用聞きで終わっており、なかなか売上には貢献してくれません。
どのように指導すべきでしょうか。
二つのケースが考えられます。ひとつは、「営業は、顧客重視の姿勢で」ということを勘違いしている場合。もうひとつは、こちらから何か提案した場合に相手に断られることを恐れている場合です。お客様の言うことに応えることが良い営業だと思っているか、そう自分に言い聞かせることで積極的な営業行為から逃げているのです。
客側からすれば、売り込みはせず少々無理を言っても何でもやってくれる、とうことであれば評判は良くなります。
まずは、「顧客に商品を買っていただき対価を支払っていただいて初めて当社社員としての営業行為になる」という営業の本質を理解させて下さい。いつでも会うことができ、こちらの説明を聞いてくれても、結局成約してもらえなければそれまでの営業行為に掛けた時間も無駄になります。有効な営業行為と言えません。会社に貢献できていません。
もちろん、将来に向けての関係作り、難攻不落の相手先への長期戦といった場合もありますが、それは例外です。
中には経験不足からか提案機会をみすみす逃している場合もありますが、そうした場合は、
先輩が同行して範を示すか、あるいはチームで一斉に同一の営業活動を展開する販売キャンペーンを行い、必ず営業先で提案してくるというム―ブメントを作るという方法もあります。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長