リスク管理はできるが、人心掌握が決定的にできないマネージャーがいる。判断自体は会社からみれば妥当に見えるが、なんでも機械的に決断・指示するため、部下から嫌われており、現場も雰囲気が悪く就業意欲が低下している。マネージャーの配置転換は会社の体制上難しいが、何かしらてこ入れをしていきたい。何か良い事例があれば教えてほしい。
組織診断をして現場の雰囲気を客観的なデータにしてマネージャーにぶつけ自覚を促すという方法もありますが、判断自体が妥当なのであればマネージャーに対して部下とのコミュニケーションの取り方などの研修を実施するのが一番ではないでしょうか。
ただ、「リスク管理はできる」という点は疑問が残ります。機械的な決断、指示しかできないということは、誰でも想像できる範囲のマイナス要素ばかりを挙げ、自分の失敗にならないように保守的な行動しかしない、そればかりか、部下にも自分が経験していないことや想定できないことにチャレンジさせないという傾向があると思います。これでは、部下の意欲も低下していくばかりです。
マネージャーに必要なのは「見えないリスクを見抜く能力」です。担当するチームのミッションをマネージャーにもよく伝え、チームミッションの達成について適性的に無理のあるマネージャーかどうか判断する必要があります。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長