選考で行っている面接は単に面接に長けている人が合格するだけで、本当にいい人を落としている気がする。本当にいい人を見抜く選考手法はありませんか?
こういうご質問を待っておりました。私も面接至上主義に疑問を持つ一人です。面接は特定の要件を評価するための情報収集手段です。対話による情報収集のため、あらゆる要件を評価できることが利点です。一方、選考手法の中では最も予測力が低いグループに入ります。何でもわかるが確信が持てない選考手法なのです。
しかし、この特徴を悪用する面接官がどこの会社にも存在します。会社を盾に私腹を肥やす悪面接官は、自分の立場を脅かす優秀人材よりも、自分に逆らわない従順人材を好みます。育ちがいい、社風に合う、伸びしろ、素直、品格、目の輝き、面構えなどと他の人には判断できない言葉を並べたて従順人材を合格へと導きます。一方、優秀だが社風に合わない、生意気、理屈っぽい、頭でっかち、非常識、ハイリスク、粗野、気合だけ、社会がわかってない、目的のために手段を選ばない、コンプライアンスが不安などと言いながら優秀人材を落とすのです。
本当にいい人材を見抜くためには、いい人材の要件を定めることが必要です。その上で、要件を最も正しく予測できる客観選考手法を用いるのです。加えて、客観面接をやろうとしない悪面接官を徹底的に排除することです。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員