新入社員の配属希望に偏りが出ます。人気のある部門が優秀な新入社員を受け入れ不人気な部門は相対的に質が低い新入社員を受け入れる、という構図が何年も続いています。部門から不満が出ています。採用でできる工夫はありますか。
採用の工夫は必要ありません。採用を工夫したところで新入社員の優劣という先入観を植え付ける文化が替わるわけではないからです。
部門から不満が出るのは無意味な優劣を誰かが付けてしまうからです。
結果が既に出ているなら優劣が付くこともあるでしょう。入社直後から業務の結果などあるはずがありません。
あるボーダーをクリアした新入社員は能力において一定程度担保できていると考えられます。そこから先を伸ばすのが会社、社会の役割。部署の役割です。
採用を工夫するのではなく育成を工夫してください。その過程で優劣の思い込みを無くすようにしていきます。
この手の質問を受けるといつも挙げる例があります。
プロ野球のドラフト(それも数球団が指名)が必ずしも活躍するわけじゃ無い。
イチローはドラフト4位。入団3年後を知っていれば全球団からドラフト1位指名だったでしょう。そういう話だと思っています。

このコラムの担当者
三條 正樹
日本エス・エイチ・エル株式会社 取締役