採用時には挑戦する人を求める割に、実際の業務ではリスクを極端に嫌う、挑戦を認めない風土があります。若手社員が新規事業や業務改善を提案しても、リスクをとことん突かれて受け入れない、本来業務を優先しろと拒絶されるため、結果的に提案意欲が落ち、やる気を削がれたまま仕事をするようになるか、優秀な社員は転職してしまいます。人事としてどう対策すべきでしょうか。
どの企業でもありそうなお話です。
経営層の求める人材像と現場での人材育成目的とがマッチしていません。せっかくポテンシャルとして挑戦マインドに溢れた人材を採用しても現場で殺してしまうのです。
若手からの合理的で説得力のある事業提案、企画改善案でも、粗をさがして批判することがマネージャーの務めだ、つまり先輩として社会の厳しさを教えてあげているという勘違いです。
各部門の課長(マネジメント)層の意識を変革しなければこうした風土は変わりません。「チャレンジ精神溢れる人材を育てることが課長の仕事である」とのトップの指示のもと人事部主導で課長研修の内容を見直して下さい。また、現課長の評価ポイントの見直し、課長職への昇進昇格の基準もかえていかなければなりません。
あるいは、人事部が全社企画として直接「チャレンジ・プロジェクト」として若手からのアイデアを吸い上げ、経営層に伝えるという方法もあります。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長