昇進昇格におけるテスト活用方法を教えてください。
組合対策として昇格試験を行うのであれば、同じ試験で、職種による有利不利が含まれず、昇格試験として実施する理由を組合に説明できるものであれば、どんなものでも構いません。公平性だけが重要だからです。事例は多くあるのですが、お勧めできる事例は一つもありませんのでここでの掲載は控えます。
一方、公平性は度外視してでも幹部としての資質の高い人を選抜・育成したいということであれば、良い方法があります。
この場合は経営者としてのポテンシャルを正しく予測できる妥当性の高い手法が求められます。一般的には、現在の業務における高業績者の中から、上長のポテンシャル評価によって候補者が推薦されます。各社の定めるマネジメントコンピテンシーやリーダーシップコンピテンシーを評価基準として複数のアセスメントを行います。最も一般的な手法は、知的能力検査(言語、計数、帰納的推理)、パーソナリティ検査、モチベーション検査、判断力検査等のオンラインテストを実施し、その後専門アセッサーが行動評価を行うシミュレーション演習を実施します。シミュレーション演習には、グループ討議、プレゼンテーション、ファクトファインディング、ロールプレイ、イントレイ、面接等があり、対象者や測定するコンピテンシーによりいくつかのものが組み合わされます。
これらの方法によって選抜された人は、すぐに然るべきポジションやプロジェクト、役割等が与えられたり、準備完了人材として空席待ち状態に入ります。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員