OPQで社員を分析すると、優秀者は上昇志向が高く、社員全体はここが低い。上昇志向を高める方法はあるか。
パーソナリティは直面する環境への適応戦略です。全員の上昇志向を一律に高めるための統一的な方法は存在しません。全員に個別的な方法を用いれば上昇志向を高めることが可能です。
OPQの上昇志向は、何についても高い目標を設定する人ほど高得点になる尺度です。目標設定のレベルと達成への執着心をたずねます。貴社においては、優秀な人ほど目標を高く設定し達成に執着すると申告し、一般的な人は現実的な目標を設定し達成だけが最優先ではないと申告しています。このような状況下で、多くの人が自分が出来ると思うよりもはるかに高い目標を設定したいと考え、他のことはやらずに目標達成だけに執着したいと考えるように仕向けて行くのです。パーソナリティは人それぞれなので、やり方は人によって異なりますが、共通して申し上げられることは、そのことを本人にとっての報酬(金銭的なものだけでなく、安心や快適、やりがい、信頼感等あらゆる報酬)につなげるような環境を作っていくということです。
一つ申し上げておくことがあります。パーソナリティの変容は時間と労力がかかり、右利きが左手を使って作業を行うかのような生産性の低下が発生します。重要なのは上昇志向を高めることではなく、生産性を向上させ、長期的な業績を確保することなのです。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員