ここ数年、新卒、中途ともに売り手市場が続いていますが、いつまで続くと思いますか?またその理由は何故ですか?
バブル崩壊、リーマンショック級の経済的ショックでもない限りこの状況は続くと思います。
少子高齢化による絶対的な労働者人口の減少ということはもちろんですが、産業構造、事業構造の劇的変化で会社側の求める人材層の能力と仕事を求める求職側の能力とがミスマッチを起こしているからです。新卒採用では、コンピテンシー重視の総合職採用からインターンシップ期間で確認した能力(実際の遂行能力)に基づく職種別採用へとシフトしていくでしょうし、中途採用では、既存事業から離れたイノベーション改革を実現できる能力をもった人物へのニーズが高まっていくはずです。従来のようにこれまでの職歴を生かして同業界の中で同一の職務に転職するというパターンから今までとは異なる業界に自分の実力が発揮できる職務を求めて動いていくというケースが増えていくはずです。優秀な人材を渇望しているのは、今後伸びて行く業界、会社ですから。
AIの導入により失業する労働者が増えると言う予測がありますが、一方で確実にシニア層、シルバー層の転職、就業継続も当たり前になります。「あなたは当社で何ができるのか」、「御社では私はどのような自分らしい仕事ができるのか」こうした点でのこだわりが双方ますます強くなっていく結果として、実力のある人は引っ張りだこという意味での売り手市場は続いていきます。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長