優秀な人材から辞めていきます。優秀人材のモチベーション管理の良い方法についてご意見ください。
モチベーション管理という考え方は不遜であるということに気付いていただきたい。私は社員自らがモチベーションを持つことを否定しているのではありません。モチベーションを支配の道具に使うことが人の尊厳を軽視していると言っているのです。
人は自らの目的を達成するためモチベーションを持ちます。その意味では貴社があらゆるモチベーション施策をとろうとも、優秀な人の離職モチベーションを防ぐことは出来ません。
一方、エンゲージメントという考え方があります。いつでも会社を辞められる状態にある人が、将来にわたって今いる会社で仕事をしたいという気持ちを表す言葉です。優秀な人に対して重要な施策はエンゲージメント向上です。エンゲージメントは現在と将来の仕事と人に対する満足度および期待によって成り立っています。今の仕事やチームに満足していることに加えて、会社の理念に共感していることや将来にわたって充実した仕事機会があると思えることが必要なのです。優秀な社員と深く対話し、その人のキャリアに対して当社がどのような機会を提供できるかを考え、将来に向けた道筋を示すことが出来れば退職は減るかもしれません。一方でこの対話が退職を誘発することもあります。しかしこの退職は双方にとって有意義なものであろうと思われます。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員