働き方改革のなかに同一労働同一賃金というものがあります。これは日本で定着すると思いますか?
かなり難しいでしょう。日本では欧米と違い、就業の際に職務記述書(ジョブ・デスクリプション)の取り交わしがほとんどありません。ジョブ・デスクリプションには、具体的な職務内容や職務の目的、責任、権限の範囲内容が記載されており、同じ職務内容であれば、当然待遇も同一条件でということになります。
日本の場合は、職務内容を入社後の仕事ぶりをみて判断するという場合が多く、正社員、非正規社員といった雇用形態の違いがあっても、同じ職場で似たような内容の仕事を振り分けられることはよくあることです。
総合職採用の若手社員の方が同じ仕事をしているベテランの契約社員より賞与などが多く、年収で差があるといったこともあります。何をもって「同一労働」とみなすのか、から始めていかなければならないでしょう。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長