若手社員の育成についての質問です。これまで、様々な職務を経験させた上で適性のある仕事を自身の手で見極めてもらおうとジョブローテーション制度を採用していましたが、どうもうまく機能していない気がします。どのように改革すればよいでしょうか。
適性の見極めにジョブローテーションをさせるというのはナンセンスです。
育成に時間もかかるし試さなくてもわかることはたくさんあります。それに職種が多ければ何十年も掛かってしまいます。
ジョブローテーションの基本はその人がその仕事において能力が飽和に達したらするべきです。金融の一部では不正防止のために異動することもありますが、それはまた別の意味を持っていますが本来は異動による組織の活性化と個々の能力の向上のための制度です。
活躍している人をその場で縛り付けるマネージャは多くいますが、結局そのことで成長が止まり本人のキャリアビジョンが見えなくなってその会社を辞めていく(優秀層から辞める)という負のスパイラルに入ることが多々あります。能力向上の手応えこそ定着性の根っこなのですが、理解している人が果たしてどの程度いるのやらといつも思っています。

このコラムの担当者
三條 正樹
日本エス・エイチ・エル株式会社 取締役