若手の離職が増えています。皆、もっと早く成長したいという理由を口にして3~5年で辞めていきます。当社は昔から20代は仕事のイロハをしっかりと学び、30代で大きな裁量を持って活躍してもらうという育て方をしていました。こうした長期育成を前提とするのは、もう古いのでしょうか?ご意見をお聞かせくださいませ。
世の中の趨勢としては、従来のような終身雇用制や年功序列的な発想は時代遅れです。長期育成を前提にした年功的配置は昇進の先送り理由にすぎないと感じる人が増えています。結果的に優秀な若手はチャンスを求めて他社へと移っていきます。実力、能力のない人を何でもかんでも早く昇進させるということではありませんが、しかるべき成果を出しかつ適性検査等でも能力があると判断できるのであれば、従来より早い年代でも抜擢していくべきでしょう。総合職全員がそれなりの期間を経過していけば、一定の役職に付けるといった右肩上がりの成長は期待できません。年齢にこだわらず、その時に十分なパフォーマンスを発揮できる人材を配置してくべきです。20代半ばでも仕事をしっかり覚え独り立ちできているのあれば、大きな裁量のある仕事を任せてみてはいかがでしょう。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長