経団連による指針が、2021卒採用より撤廃となりました。政府指導によるルール作りがされるとの事ですが、それも形骸化されるのではと感じます。日本での通年採用が根付くまでに、どれくらいかかると思いますか。
どのくらいかかるでしょうかね。就職に関するルールの始まりは、1952年に文部省通達の形で初めて就職期日が示されたこととされています。当時は事務系10/1、技術系10/13就職あっせん開始でした。その後好景気の影響で「青田買い」が流行し、社会問題化し1962年に事実上の協定廃止。その後は、景気動向をみながら何度も申し合わせ、協定的ルールがが復活、廃止と繰り返され、日程変更等があったものの現在の指針ルールとして存続してきました。ここまで長く存続したものが即ゼロクリアになるとは考えづらいです。
今回の政府主導下のルールでも2021年卒は3月―6月の日程路線が踏襲されるようです。破った場合の罰則はありませんから、ますます形骸化するでしょう。
しばらくは、議論を重ねながら一定の目安を設けつつ、通年採用型にシフトしていく会社がドンドン増えてくると思います。ただし、根付くには、3年かかるか5年かかるかわかりません。
通年型になっても、採用パワーのない企業は、一定の時期に集中的に採用活動をするかもしれませんし、欠員補充の中途採用時に新卒・第二新卒の応募も可という企業が増えるかもしれません。「通年」だから1年中採用選考しなければならない訳ではありません。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長