ゆとり世代や悟り世代というような世代論的な考えは採用市場に影響を及ぼしているのでしょうか。
ほとんど影響はないと考えます。企業側が学生の企業、仕事に対する意識の変化の理由としてこうした世代論的な考えで説明しようとするのだと思います。
就活時点でのミスマッチから入社後の早期退職が増えているといわれますが、入社後3年で退職する新入社員の比率は約3割と従来とそれほど変わっていません。
採用市場に影響を大きく与えるのは、やはり将来に向かっての少子化でしょう。少しでも良い人材を採用したいという企業ニーズは不変です。その対象である学生数が大きく減少することがもっとも影響すると考えますが、その前に入学予定の学生の取り合いになる大学の経営問題が先に浮上するのではないでしょうか。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長