合理性を突き詰める世の中では今後提案営業職なども機械にとって代わられる未来もあるのではないかと思いますがいかがお考えでしょうか。
合理性を突き詰めるというよりは、より効率性を求める世の中になるでしょう。提案営業でも先方顧客のニーズがパターン化できるものであれば、AIを活用した提案内容の作成や先方とのやり取りの内容によって興味度、関心度を測っていく営業方式が広まっていく可能性は高いです。すでにコールセンターでのチャトボットの導入や営業部署のインサイドセールスでのAI導入はかなり進んでいます。
住宅販売の営業を例に取ってみると、マンション販売では地域や広さ・間取り、価格帯、周辺環境などの購入しようというお客の希望条件を分析できれば、現地でのモデルルームなどをみせなくてもヴァーチャルで建物案内できれば、効率よく販売できるかもしれません。しかし、一戸建ての高級注文建築などでは、そこに住む家族それぞれがどのような生活をしたいのか、将来設計をどのように考えているのかなどの個別の要望をしっかりと捉えないと希望にあった建築プランを提案できません。こうした場合は、人の経験が生きるのではないでしょうか。人とのつながりがあってこそ信頼関係がうまれるということもあります。機械をうまく活用するためにも優秀な「人」が求められることは変わらないはずです。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長