主体性、自ら動ける人を社内で増やしたい。採用を見直すのが先か現在の社員を育成する方が先か教えて下さい。
現在の環境を見直すことが最優先です。主体的に動く人が少ない組織は、主体的に動く人ほど損をする組織なのです。そんな組織では社員教育をするのも、主体的な人を採用するのもドブに金を捨てているようなもの。まずメスを入れるのは、主体的に動く人を妨げる規定やルール、そして明文化されていない組織風土です。組織風土に影響を与えているのはリーダーの意識です。つまり、トップを入れ替えるべきということです。
例えば、決裁のために何人もの人がハンコを押していませんか。稟議書という日本の悪癖は、権限者が責任回避をするための機構です。本来は権限者1人が了承すればいいのです。リスクをとれないならマネジメントからおりるべきです。また、主体的に動くには主体性を発揮できるだけの権限が必要です。権限のない人が主体的に動けばルールを逸脱するのは当たり前です。
働く時間、場所、服装等こと細かく規定を作っていませんか。主体的な人はTPOに応じて効率的に動きますので、細かい規定にすぐ抵触します。
結果のみを評価し、主体的に動いたプロセスを評価の対象にしていないのではありませんか。
御社の仕事は主体的に動いたほうが、今までの良いやり方よりも、優れた結果がでるような仕事ですか。
ビジョンを示していますか。会社がビジョンをしめさなければ、主体的な人は会社の方向と異なる活動をするかもしれません。
環境には何も問題がないということがわかったら、主体性で大きく処遇に差がつくような評価制度の改定を行い、次に主体的な人材を採用します。
このコラムの担当者
清田 茂
執行役員
入社以来30年、HRコンサルタントとして日本の人事アセスメント界を牽引。大手を中心にコンピテンシーモデリングから選抜設計、サクセッションプラン構築まで広範なプロジェクトを完遂。特に経営層との対話を通じた次世代リーダー育成に高い実績を持つ。 2002年取締役、2020年より執行役員として直販部門を統括。最前線で「人と仕事と組織の最適化」を追求する傍ら、SHLグループのグローバル知見の国内導入も推進。