精神論が非難されるご時世ですが、成長の過程で重要なポイントになることもあるような気がしています。経験上、精神論が役に立ったシーンがもしあればエピソードを教えて下さい。
ひと昔前のような「精神論=根性論」のような考え方は今は否定される場合が多いでしょう。しかし「自分の精神を安定的に保ち前向きな意識を持つこと」をモチベーションの維持と捉えれば現代にもつながるのではないでしょうか。どんなに辛いことがあっても逃げずに頑張れ、自らに負けるようでは人には勝てないといった「精神論」の押し付けではなく、場合によっては逃げることも善しとすることも伝えることが必要です。失敗した時に、ただ落ち込むのでなく、どうしたら次に生かせるか考えられるかどうかと同じです。こうした経験を次に生かしていくことで自らの精神の成長を感じ取り自信につながります。
「精神論」が役に立ったエピソードは特にありません。何事にも「自分の心のありようが肝心」という意味では「精神論」かもしれませんが。
若手社員には、「絶壁のような高い壁を前にしてどうしたら乗り越えられるのかだけを考えるのではなく、はるか遠くでも迂回できる道はないか、トンネルを掘って下から潜る方法はないか、壁の向こうに出るという目的を達成するために何でも考えよう」と伝えています。どこまで伝わっているかはわかりませんが。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長