新卒より中途採用の面接の方が難しく感じます。社会人の実績を確認しているのになぜか入社後のばらつきが大きいです。問題点を教えてください。
ご質問内容から、貴社では応募者を相対的に評価していることがよくわかります。新卒採用の場合、短期間に大勢の同学年の大学生を面接します。明確な採用基準を持たずとも、比較するだけで良い学生がわかります。スーパーに並んでいる複数のりんごの中から一つを選ぶ感じによく似ています。色と艶、大きさと形を見比べてより総合的に良いと思うものを選びます。一方、中途採用は募集職種も様々、応募者の経歴も年齢も知識もスキルも何もかも様々です。こちらは、たくさんのりんごとみかんとトマトときゅうりを比較してどれかを選ぶ感じです。そもそもものが異なります。
問題点は中途採用で相対評価をやっていることです。これを直ちに止め、採用基準に基づく客観面接に変更してください。中途採用の場合、採用基準は募集職種によって異なります。募集職種の職務分析を行い、適切な採用基準を作ってください。職務分析の手法についての詳細な説明は割愛しますが、募集職種の現職者とマネジャーに話を聞き、職務の役割と求められる経験、資格、能力やスキルを定義すればOKです。これらの要件を確認するため、基準に即した面接を行ってください。客観面接やコンピテンシー面接といわれる面接手法です。この手法に慣れてくると新卒よりも中途の方が面接が易しいと感じるはずです。新卒採用にもこの手法を用いることで内定者のばらつきを軽減することができます。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員