先日新聞のアンケート結果で人不足という回答の割合が大幅に減っていました。飲食や観光などは仕方ないと思いますが他の業種でも同様の傾向があります。これは一時的な傾向でしょうか?それとも今後長期的な傾向になるのでしょうか?
人口が減少し少子高齢化が進む中で、絶対的に労働力が減ってきていることは確かです。単純に考えれば当然人不足となります。
一方で企業は労働生産性向上のためにIT、AIを活用した業務改善を行っており、RPAなどの導入により従来型の事務仕事に携わる人の数を減らし余剰な人が出ています。また高齢者層ではまだまだ現役で働く意欲のある人も増えています。こうした状況ではありますが、残念ながら新たな産業分野が成長せず限られた分野で移動するしかなく、人材の流動性が小さいのが現状です。
一部の企業は特定の高い能力を持つ人材を海外のグローバル企業と取り合っています。能力のあるデータサイエンティストを破格の条件で処遇する企業も多くなっています。
企業の欲しい「優秀な人材」は、いまだ偏っており希少価値が高く争奪戦となっています。こうした点を考えれば不足状態は長期的ですね。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長