HR-Techブームですが、人を数値だけで扱うことに戸惑いがあります。社員は血の通う人でありモノではないので、頭では理解できても釈然としないのです。このあたりについて、ご助言をいただけませんでしょうか。
おっしゃる通りだと思います。でも最近は逆のケースの声の方が強いような気もします。
つまり、「頭では人が人を評価するのだから釈然としない部分もあるかなと理解しているが、だからこそ客観的に比較できるデータ(数値)をできるだけ示してほしい」というものです。
どのような数値成果を出した方が優秀な人材として評価されるのか、上司からの評価が何ポイントだったら良いのか、生産性の高い社員とは何が基準になるのかなどです。
極論すると数値による成果評価主義に近いものということになるのでしょうが、人は行動に対するまわりからの評価も大いに気になります。プロセス評価はゼロでいいのか。上司の主観的判断による評価で意味があるのかなど課題は尽きないです。
採用場面でも、特定のコンピテンシーが何点だったら落とすべしと決めつけるのは少々問題があります。特に就業経験のない新卒学生については、あくまでポテンシャルですから入社後の実務内容や職場環境により予想外、期待以上の結果を出してくれる人もいるはずですから。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長