次世代の経営層やリーダーを自社内で育成するにあたり、「配置」(ジョブローテーション)において何か必要なことや気を付ける点などはありますか。(営業だけでなく経理やマーケティングなどいくつもの部署の経験が必要など)
御社の事業戦略、経営戦略を実現するうえで、どのような人材が必要となるのかが、前提となります。変化の速度が急な時代にあっては単に経験があるだけという年功型では経営層やリーダー層としては不十分です。ジョブ型雇用にあるように高度な専門性が経営層にも求められています。こうした状況を考えますと、いくつもの部署を経験させるという長い期間の余裕もないはずですし、選抜された人材ももっと早く活躍の場を与えてほしいと願っているはずです。「配置」という部門の異動の概念ではなく、経営層に必要な能力を身に着けるため、修羅場を経験できる「場」がどこかという発想が大切です。
こうした意味からも単なる部門異動ではなく、新規事業担当やM&Aした海外子会社の経営陣などに是非抜擢して下さい。たとえ少々の壁にあたったり、失敗をしたとしてもその経験が成長の糧となるはずです。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長