コラム

続・人事部長からの質問

2021/07/05Q.3180

少人数の部署で人材の棚卸を実施しようとした場合、どのような施策が有効でしょうか。

人材棚卸で収集すべき情報は実績、コンピテンシー、ポテンシャルの3つです。それぞれについて説明します。

  1. 実績
    実績とは、経歴を含む過去の情報です。例えば、査定、業績、職務経験、資格、学歴、職歴、活動歴、勤怠、受講研修、表彰、論文、書籍など。
    査定や勤怠などを除いて、本人申告により収集する情報です。
  2. コンピテンシー
    コンピテンシーとは成果を出すために顕在化した能力・行動のこと。顕在化した関連要素のすべてを含みます。例えば、コンピテンシー、行動、スキル、専門知識など。
    コンテンシー評価、360度評価、スキルテスト、知識テスト、面接などにより評価します。
  3. ポテンシャル
    ポテンシャルは内面の情報です。例えば、パーソナリティ、知的能力、モチベーション、価値観、興味関心など。これらの情報は顕在化されていないため、きちんとしたアセスメント方法を用いない限り、評価者の主観が反映されたものになります。人事権を持つ人が評価するのであれば主観的であってもダメということはありません。しかし、主観評価は評価者が変わると評価が変わりますので、不安定さが付きまといます。
    出来るだけ客観的な情報を収集するために測定基準と対象に適した客観アセスメント手法を導入することをお薦めします。簡便に出来るものとしてはオンラインテストです。知的能力検査、パーソナリティ検査、モチベーション検査であれば各科目10分から30分程度で実施できます。専門アセッサーが評価を行うシミュレーション演習手法も最近ではオンラインで実施できるようになっています。また、客観面接も様々な要件を評価できるよいアセスメント手法です。オンライン面接も一般的な方法になってきました。

以上の情報を全社員から収集し、部署ごと、階層ごと、地域ごとなどに傾向を分析して、経営事業戦略を遂行するために現在の組織および人材がどのような強みと弱みを持つか、戦略のニーズに合っていない組織はどこにあり、誰を異動・教育あるいは外部から採用することで問題を解決できるかを検討してください。
これらの情報を配置任用、昇格、能力開発に使い、会社の業績を向上させることがタレントマネジメントです。がんばってください。

清田 茂

このコラムの担当者

清田 茂

日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員

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