周りの助けを上手く求めることができず、結果的に業務の遅滞、残業の多さが目立つ社員がいます。どのように改善していけばよいでしょうか。
業務の遅滞と長時間労働は速やかに解決しなければならない問題です。
今回は原因が特定されていますので解決は容易です。ご安心ください。
解決のためのステップは以下の通りです。
- ヒアリング調査:周りの助けを求めることができない理由を本人、上司、同僚など関係者から聞き取る。
- 職務と職場の調査:業務内容、仕事場、設備、使用機器、チーム構成員、周囲との人間関係等について調査する。
- 原因の特定:調査結果から周りの助けを求めることができない原因を特定する。
- 解決策の立案:特定された原因を除去、軽減、影響を軽微にする等の施策を立案する。解決策の立案に際して、別の問題が発生する可能性について十分考慮すること。
- 解決策の実行:解決策を組織として実行する。実行を徹底するためのルールが必要。
- 効果の検証:一定の期間ごとに改善効果を確認する。改善効果を定量的に捉えるための指標を事前に作っておく。
と、ここまでお答えしたところで、最も大事なことをお伝えしておきます。周りの助けを求める能力が不可欠なものであることは前提として、人にはそれぞれの学び方、成長の仕方があります。人に助けを求め教わりながら成長する人もいれば、一人で試行錯誤しながら成長する人もいます。学習スタイルには個人差があるのです。業務の遅滞と長時間労働は改善しなければいけませんが、その社員にとって最適な学び方を理解し、その学び方に適した場の提供と学習支援をしていくことが人事の役割です。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員