昇格試験での論文審査がマンネリ化しています。また、評価の客観性に欠ける気がします。昇格試験で論文審査を行う企業は多いですか?今後の昇格試験はどのように変化していくと思いますか?
まずは、ご質問にお答えします。昇格試験で論文審査を行う企業は多いです。昇格試験を導入する会社の多くは職能資格制度などの等級制度を持っています。この等級制度は能力を基準とするため、等級にふさわしい能力を評価する必要があります。職種を問わず統一的に能力評価を行う方法として、会社や部門、職務などの課題に対する論文評価、面接評価を行います。最も一般的な方法の一つです。
今後昇格試験がどのように変化するかについて、私は職能資格制度に代表される能力主義人事制度の昇格試験である限り、将来も変化しないと考えています。ただし、将来も能力主義人事制度が代表的な日本企業人事制度として維持されるとは考えていません。職務主義の人事制度へ移行する企業が増加すると考えています。その際にはそもそも統一的な昇格試験は無くなります。新しい人事制度に適応した会社の視点からは人材の抜擢や任用、社員の視点からは主体的なキャリア形成を実現する新しい方法が一般的になります。前者はハイポテンシャル人材プログラムや後継者計画であり、後者はキャリア開発支援やジョブポスティング制度です。
最後に論文審査のマンネリ化について申し上げます。マンネリ化しているのは、毎年評価を行う会社側であり、人生をかけて試験に臨む候補者にとっては決してマンネリ化するものではありません。客観性に欠ける評価については改善可能です。ぜひ、弊社コンサルタントへお声がけください。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員