コロナ前の採用では、グループ討議選考で対人関係能力(コミュニケーション力、影響力)を評価していました。現在はオンライングループ討議に切り替えましたが、評価しづらく、実際に会ってみると印象が異なるという問題があります。何か良い方法はありませんか。
グループ討議選考を対面からオンラインに切り替えたことによって発生した問題を解決したいということですね。問題点は二つ。評価のしづらさと実際に会った際の印象のギャップです。
なぜオンライン化によってこのような問題が発生するかというと、オンラインによるコミュニケーションは対面のコミュニケーションに比べて圧倒的に情報が少ないからです。対人関係能力は非言語情報の影響を受けます。話される言葉以外の情報が重要なのです。しかしながら、オンラインでのコミュニケーションでは、全身をくまなく見ることも、ちょっとした表情の変化を感じ取ることもできません。目線や表情で相手に影響を与えることもできません。この情報の少なさが評価のしづらさを生み出しています。実際に会った際の印象のギャップについても同様です。評価者は得られなかった情報を自らの想像によって補い評価を下します。無意識のうちに肯定的な印象を持った人の見えない部分は良いものと想像し、否定的な印象を持った人の見えない部分は悪いものと想像してしまうのです。この主観の働きが印象のギャップを生み出しています。
効果的な改善方法は対面のグループ討議に戻すことです。または、オンライン化するビジネス環境に最適化した人材要件を検討し、オンライン選考でも評価可能な採用基準を設定するといった方法もあります。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員