動画選考を行う企業が増えてきていると感じております。弊社でも導入を検討しており、動画選考でのメリット・デメリットをご教示いただけないでしょうか。
動画選考とは、企業が応募者にプレゼンテーションしている動画を提出させ、企業がその動画を評価することにより選考を行う手法です。プレゼンテーションのお題は従来であればエントリーシートで記入を求めたようなものや面接ではじめに行う自己紹介のようなものが多いようです。顔が見られる選考ですが、双方の時間を拘束しないため、応募者は選考に参加しやすく、企業側も評価者を手配しやすくなります。
従来エントリーシートの記述から評価していたものを動画選考にすれば、応募者の顔、姿、様子を見ることができます。また、プレゼンテーションを工夫する余地が広がることで個人差が見えやすくなります。非言語情報が増えることにより評価者にとっては評価がしやすくなります。一方、非言語情報は主観評価に強く影響を与えるため、面接官の好き嫌いが評価に強く反映されることとなります。客観評価を行いたいのであれば、動画を評価する仕組みを整備し、評価者訓練を行うことは必須です。
従来のプレゼンテーションテストや面接を動画選考にする場合は、最初に申し上げた応募者にとってのエントリーしやすさ、企業にとっての評価者手配のしやすさがメリットです。当然ですが一方的なプレゼンテーションの評価になりますので、質問したり、対話を深めたりは出来ません。本質的に動画選考は面接やプレゼンテーションテストを代替するものにはならないと考えておくべきです。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員